Dr.keiの研究室2-Contemplation of the B.L.U.E-

他者からの批判を受け止める人と受け止めない人

自分で言うのもなんですが、僕はわりと人気のある先生です(苦笑)。

というか、一部のコアな支持層のいる先生と言うべきか…。

その一方で、僕自身や僕の講義や授業を心から嫌う学生もずっと一定数いる先生です…orz...。

16年以上「先生」という仕事をやってきて、これまでも、数々の「厳しい批判」を受けてきました。

覚えているのは、「先生の講義はとてもつまらないですが、今日も寝ないでがんばった自分を褒めてあげたいです」と書かれたことかな!?(苦笑)

あと、2009年には、勤勉な学生たちに「先生は変わりました」と言われて、凹みました

でも、転がり続けるR&R先生。批判されたら、それをバネにもっとイカした先生を目指すのみ!

先日、昨年度末に行われた学生の匿名での記述式の学内アンケートのコメントが全先生に配布されました。

今回も、やっぱり一部のコアな学生が、僕の名前を出していっぱい褒めてくれました。感謝感謝。

でも、その一方で、僕への批判もしっかりありました。他の先生の名前は黒塗りなのに、なぜか僕の名前だけ黒塗りされていないのは、どうしてでしょう(苦笑)。まぁ、全然いいんですけど…。

今回の批判は、「講義中の発言」についての厳しい批判でした。読んでいて、「なんだよ、それ…」と思いつつも、「うーん、そうかもなぁ」と思うところもあるので、2020年度は、今一度、自分の発言を見直し、できるだけ学生が「不快」に思わない発言をしつつ、議論の深さと面白さ(内容は濃く、でもかろやかに)を追求していきたいなと思います。(発言に気を付けながら、内容が深くて、笑いも取れる講義って、とっても難しいです…)

某首相も「批判は真摯に受け止める」と繰り返し言っていますが、批判を真摯に受け止めるということは、その批判を受けて、自分自身を変える努力をする、ということだと思います。受け止めた以上、自分自身の行動が変容しなければいけません。批判した人を責めるのではなく、また批判した人に弁明するのでもなく、自分自身の行動や発言を改める。そうでなければ、「受け止めた」とは言いません。

長いこと、「先生」と言われる仕事をしていると、自分が偉くなった気分になります。いや、自分が正しいと思うようになっていきます(そうでない人もいるけれど)。周りから「先生」「先生」と言われると、自分が「正しい人間」であるかのような「錯覚」に陥っていきます。

先生(政治家も「先生」って呼ばれますね)と呼ばれる人は、それをしている中で、「先生」になっていくんです。もちろん悪い意味でです。「私の言っていることは正しい」「だから」「あなたは私の言うことを聞きなさい」という風に。これって、一番ダメな先生ですよね。…

だから、ずっと僕の心の中では、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」「勝って兜の緒を締めよ」という言葉をリフレインさせています。「おごるなよ、お前(自分自身)!」と、言い聞かせています。まぁ、僕は、失敗ばかりの人間なので、おごることはないとは思いますが、それでも、注意は必要です。

その一方で、学生たちから批判されているにも関わらず、その声が響かない先生というのもいるんです。「受け止める」と言って受け止めないのも問題ですが、そもそも、受け止める気のない先生というのもいます。

例えば、「先生は厳し過ぎます」という批判があったとしましょう。そうすると、「それはその学生がダメだから」とか「厳しく言われるようなことをするから」とか「じゃ、甘やかせばいいということなの?」とか、そういう反論をして、この「先生は厳し過ぎます」という学生の声なき声を受け止めることなく、真っ向から否定して、それを学生側に責任転嫁してしまうんです。

昔、とある(話が難し過ぎて、しかも話すスピードもめっちゃ早い)先生に、「もっと分かりやすく、もっとゆっくり話してください」と言ったことがあります。そうしたら、その先生は、「それは、あなたが不勉強だからです。もっと勉強しなさい」と言って、足早に去っていきました。その後ろ姿が忘れられません。

そういう先生にはなりたくないなぁ、と思うんです。(同時に、そういう先生を輩出したくないです)

自分の至らない点を指摘されたら、それをそのまま(受け入れたくはないけど)受け入れて、二度とそう言われないように努力する姿勢を、学生に示していきたいな、と思います。

そうやって、人って成長していくもんだと改めて思いました。

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