今や、アジアの料理は、こっちで独自の進化を遂げています。それは、絶対に見過ごせない新しい現象です。もう中華だとか、韓国料理だとか、日本料理だとか、タイ料理だとか、そういう「区分け」自体が意味をなさないくらいに、ごちゃごちゃになっています。ごちゃごちゃというか、アジア料理がいろんな人によって加工され、手入れされ、独自の進化を遂げているというか。
まさに、それが体感できるのが、こちらのWAKUWAKUというお店です。このお店は、ハンブルク市役所(RATHAUS)からすぐの場所にあり、まさに中心のど真ん中にあります。少し路地を入りますが。そこに、紫色が煌めくテナントが見えてきます。それが、WAKUWAKUです。名前は日本語なんですが、日本人はいません。スタッフは全員こっちの女性です。メニューを見ると、タイ料理がベースっぽいんですが、タイ料理店ではなさそうです。うーん、もうよく分からない。
しかも、メニューを見ても、なんだかよく分からない名前のメニューばかり。本当によく分からない。説明書きを読まないと、それがいったい何なのかが分からない、という。写真もあるんですが、どんな料理なのか想像できない。カレーもあるし、ご飯ものもある。麺料理もある。だけど、どの国の料理なのかが想像できない。まさに、インターナショナライズド・アジアン・テイストな感じです。こういう潮流って、いいですね。もうラーメンというカテゴリーさえも、こっちで独自に進化してほしいです。それでこそ、本当のご当地化ですからね。
こちらのコンセプトは、なんといっても、「THE FAST FOOD REVORUTION(ファストフード革命)」ですからね。アジア料理の欧州化を通じて、ファストフード革命を起こそうとしているんです。凄いでしょ。
で、僕の目に留まったのが、「JAPANISCHES TERIYAKI」という麺料理です。一応、麺料理であることは分かりました。が、それ以上は全然分からない。ラーメンなのか、焼きそばなのか、それとも何なのか。
出てきたJAPANISCHES TERIYAKIは、色んな野菜や肉が入ったごちゃまぜ麺です。混ぜそば・和え麺と違うのは、既に調理の段階でごちゃまぜにされている点ですね。もうごちゃごちゃです。そういう意味では焼きそばっぽい。でも、焼きそばではない。混ぜ麺と焼きそばを合わせたような麺料理でした。
器もかなりスタイリッシュでした。ここは都内のイケてる新店かっていうくらいに。
斜めから撮った写真です。
茹でた麺をスープに合わせて、照り焼きソースで味をつけていく、というもの。炒め物に近い感じですかね。
これが、もうなんともエキゾチックなごちゃまぜ麺でした。基本的には、照り焼き味の混ぜ麺なんですが、そこにハーブ?薬草?が入っているんです。これがもうエキゾチックでして。美味しいかと言われると、ちょっとあれですけど、もう異国感たっぷり。日本じゃ、まず絶対に食べられない味であることは間違いないです(暴動が起きます…)。
野菜はいろいろ入っています。こっちの定番の野菜がかなりたくさん入っています。豚肉もコロコロと入っています。確かなボリュームですね。素晴らしい。
麺は、日本的には二玉半くらいは使われているんじゃないかな。かなりのボリュームです。しかも、この麺が結構旨い。うどんときしめんの合いの子みたいな麺でした。
照り焼きソースは、薄味で、これもまた結構いけました。照り焼きソースは、もうこっちで完全に市民権を得ていますからね。日本のテリヤキバーガーは神がかっていますが、ホント、テリヤキソースは、世界的な味になりましたね。よかったよかった。あれほど美味しいソースってないもんなぁ。
テリヤキソースの新たなごちゃまぜ麺、これは新しい。しかも、こっちらしい。このお店がドイツ国外にあるのかどうか分かりませんが、ドイツ国内のお店だとしたら、ドイツ発のご当地麺料理になるんじゃないかな。日本人に受けるかどうかは別として。だいたい日本人に受けなくていいんですよ。ご当地ラーメンってそういうもんじゃないですか。その土地の人のための料理ですからね。
ただ、あの薬草みたいな香辛料だけは…(汗)。「うっ」ってなりましたもん。ま、慣れましたけど。
面白い新たな麺料理に出会えた気がしました。うーん、だから、ラーメンの食べ歩きはやめられない!!!、とハンブルクから叫びます!!