僕は学生たちに「海外に行け!」、といつも声をかけている。
青春時代に海外を知ることは、何よりも大事なことだと思うからだ。若い感受性の瑞々しい時に、海外を知ることは、人間形成において極めて重要なものとなる。
最近、「ゆとり世代は、云々カンヌン・・」という輩が多いけど、僕はゆとり世代の子たちが好きだ。自由でのびのびとしていて、柔軟で、ゆるやかで好感度が高い。
なぜか。それは、10年以上前にドイツに行っていた時に、あっちの若者に見出した良さがたくさんつまっているからだ。僕ら世代や僕らより上のヤンキー世代の人たちは、どこか窮屈で、偏屈で、無意味にいきがっていた。えらぶろうとしていた。カッコつけていた。しかも、資本主義に踊らされるかたちで。僕ら世代は、完璧に「消費者」として刻印づけられた。今もそうだけど。とにかく、消費せよ!という暗黙のメッセージをいつも聞かされることになった。
が、今の若い子たちは、そういうがつがつとしたところがない。スマートだ。そして、さっぱりしている。かつて僕がドイツ人の若者に見たものが、彼らにはある(と、思う)。
世界水準で、ゆとり世代を見ると、決して否定されることはないと思う。もちろん、問題もある。けど、かつての若者よりは、ずっと世界的平均に近づいてきているように思う。
そういう視点も、海外を経験していないと分からない。
異国を知ること、異文化を知ることは、自分の国を外から眺める上でも重要だ。日本人を日本の外から眺めてみる。そうすると、いい面、悪い面、どちらも見えてくるだろう。
海外の若者は、小さい頃からどんどん海外に出かけている。海外の人との交流も楽しんでいる。国際恋愛、国際結婚も半端なく多い。大変な面もあるだろうけど、国内にいい友だち、いい恋人ができないなら、海外に行くのが一番いい。日本の価値基準じゃないところで、恋愛も起こるわけだから。
社会人になると、そうなかなか海外には行けなくなる。行けたとしても、せいぜいパッケージされたツアーくらいなものだろう。そんな暇は(この国には)ない。だからこそ、若者の時代に行って欲しいのだ。
行き方が分からない、どう行っていいのか、分からない。ならば、教えてやろうということで、学生を海外に連れていくことも、5年前から始めた。この5年で20人くらいかな。ドイツ、オーストリア、スイスに連れていった。
その20人が、その後、自分の人生にどんな影響があったのかは分からない。けど、何かしらの大きな変化はあったと思いたい。
その後、どう海外とかかわるかは自分次第。語学は、若いうちにしかできないこと。で、はまれば、一生楽しめるツールとなる。一生かけて、楽しむものが外国語であり、外国だと思う。
外国を知ることで、異国を知ることで、異人を知ることで、寛容さを学ぶ。自分とは異なる人間がいて、その異なる人間を簡単に否定してはならぬことを学ぶ。
日本だけに留まっていると、見えないことがある。
それを伝えることも、自分のライフワークかなって思いますね。
旅の前のつぶやきでした☆