素晴らしい(?)記事を見つけた!
<スカイマーク>「機内の苦情は消費生活センターへ」
毎日新聞 6月5日(火)2時30分配信
航空会社のスカイマーク(東京都大田区)が乗客に対し、苦情は機内ではなく消費生活センターなどに伝えるよう明記した文書を示しており、東京都消費生活総合センターは4日、同社へ抗議することを決めた。
スカイマークによると、この文書はA4判の「サービスコンセプト」。5月18日から機内全席の前ポケットに入れており、内容は▽客室乗務員は荷物の収納の援助をしない▽客室乗務員に丁寧な言葉遣いを義務づけていない▽客室乗務員は保安要員としての搭乗で接客は補助的なもの--など8項目。数年前からの方針だが、乗客から客室乗務員の接客について問い合わせが相次いだため作成したという。
文書はさらに「機内での苦情は一切受け付けません。ご理解いただけないお客様には定時運航順守のため退出いただきます。ご不満のあるお客様は『スカイマークお客様相談センター』あるいは『消費生活センター』等に連絡されますようお願いいたします」と明記。都消費生活総合センターに4日、この文書に関する苦情が1件あった。
同センターは週内に「消費者基本法も苦情を適切処理することを事業者の責務としている」とスカイマークに抗議、文書の回収と訂正の広報を求めることにした。スカイマークの広報担当は「センターは公的機関なので当社の苦情を聞いていただいてもいいと認識している。抗議があれば対応を検討したい」と話している。
引用元
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120605-00000006-mai-soci
スカイマークの注意書きはこちら!
http://www.asahi.com/national/gallery_e/view_photo.html?national-pg/0604/TKY201206030442.jpg
これは、素晴らしい(?!)!!
僕は前々から、「お客様精神」を批判する立場を取ってきている。労働者と消費者の矛盾を批判してきた。どちらも同じ人間なのに、日本では、圧倒的に消費者の側が有利な立場となっている。本来、対等な立場であるはずなのに。。。
それに、消費者至上主義ゆえに、わけのわからない価格破壊戦争が起こっている。適正価格が無視され続け、消耗戦を繰り広げ、力のない企業や個人店が競争に負け続けている。いわゆるデフレもその構造の一つの現れとなっている。具体的に言えば、牛丼は500円でいい(苦笑)。消費者としては安ければ安いほどいいかもしれないが、ちゃんとコスト分は回収して、きちんと働いている人に還元しましょうよ、と。当たり前の話なはずなんだけど、これが難しい。
このスカイマークの戦略は、その狂った現状を打破する一つのきっかけになってくれるか?!
飛行機の仕事は、安全にある場所から別の場所に客を運ぶことだ。それだけだ。それ以外のサービスはあってもなくてもいい。価格に見合っていれば、それでいい。そういう点からすれば、スカイマークの対応は素晴らしい。「ちゃんと客が払うだけの仕事はやっている。それ以上は期待するなよ」、と。
これから、もっともっとこういう風に、「文句があるなら、公的センターに言え。何でもかんでも言ってくるんじゃない!」という毅然とした会社や企業が増えてくるといいなと思う。
繰り返すけれど、僕らは消費者である顔と、生産者である顔をもっている。どちらでもあるのだ。そのどちらを優先するかという問題であって、客が悪いというわけではない。ただ、今の現状では、消費者=客があまりにも横柄になるシステムが出来上がっている。それが、ますます労働者=働き手の地位や立場を脅かしている。
いつも思う。店員さんや働き手は、もっとふてぶてしくていい、と。変にぺこぺこする必要はない、と。僕は欧州かぶれの人間だから、欧州と比較しちゃうけど、あちらの店員さんや従業員さんは、ホント、(よい意味で)横柄ですからね。そこが、いいんです。仕事なんて、所詮、みんな(ほとんどの人が)嫌々、泣く泣くやっているわけで、そんなもんでしかない。なのに、その仕事に、全力を傾ける、家族を無下にするほどに頑張っている姿は、痛々しくもあり、悲しくもある。
いつの日か、消費者が縮こまってお店に入ってくる時代は来るのだろうか。「いらっしゃいませ」なんていう言葉がなくなり、お客さんの方が、「お願いします」「ありがとうございます」という時代が、、、 そういう時代が来てほしい。
僕は、公共交通機関を利用する時も、お店を出るときも、レストランでも、必ず、「ありがとうございます」「ご馳走様でした」といった言葉を言うようにしている。それが、人間としての礼儀だと思うからだ。お金を払うのは僕だけど、それだけのサービス(等価)は得ている。そうしたら、「ありがとうございます」というのが、それこそ人間としての礼儀だろう。「してもらって当たり前」という発想自体が、横柄なお客様主義だ。
消費者=客なんていうものは、作られた幻想に過ぎない。けれど、その幻想を壊すのは、とても難しい。だけど、難しいからといって、見過ごすわけにもいかない。これだけ、経済的に緊迫している時代。しかも、モノの売れない時代。だからこそ、客側がもっと謙虚にならなければならない。「よき消費者」が増えることが、健全な社会には必要だからだ。
根本的には、生産者と消費者は対等であるべきだと思う。お互いにお互いを必要としているし、お互いにお互いを支え合っているのだから。だから、立場の逆転が求められるのではなく、「対等な関係」が求められるのだと思う。
そういう意味で、このスカイマークの取り組みは支持したいと思う。が、ならば、そのクレームも、外部に委託するだけでなく、きちんとその趣旨を説明してほしいかな、とも思う。
「スカイマークは、お客様至上主義の立場を取りません。お客様を安全にきちんとお送りすることに尽力します。それ以上のことは求めないでください。本来の業務以外のクレームは一切受け付けません」、と。
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だから、客にぺこぺこしないお店が僕は大好きなんですね。とはいえ、客を下に見るお店には行きませんけど…。対等な人間として向き合うお店や会社が素敵だと僕は思いますし、また、本当によいお店や会社は、そうなっていると思いますね。
ラーメン店も、仕事の本質としては、美味しいラーメンを提供することが最大任務であり、適正価格で売ればいいと思うんですよね。それを、客のニーズに合わせて、安易に値段を下げることが一番よくないと思います。
教育も同じ。子どもはお客様ではないし、親もお客様ではない。もちろん親や子どもの声はきちんと受け止めるべきだとは思うけど、それに隷属する必要は全くないんです。けれど、今の時代、ますます学校が「お店化」していて、外野からの不当なクレームを常に受けています。
意識改革は時間がかかりますが、こういう地道な取り組みこそが、その改革の第一歩だと思います。これから、スカイマークをもっと応援したくなりましたね。成田から日本各地に飛ぶようにもなりましたからねー。