今回のドイツの旅で、一番最初に泊まったのが、フランクフルトでした。
フランクフルトは、僕にとって、ドイツで初めて訪れた街。
1998年の3月末、人生初めての海外で、いきなり1年の留学で。
もう、本当に心配で心配で、仕方なかったですね。
今でも覚えています。
家のFAXを使って、ここのホテルの予約をした時のことを。
このホテルクリスタルには、日本人のスタッフさんがいて、、、
その人から、丁寧なお返事をFAXでいただいて、、、
それで、安心して、ドイツの留学がスタートしたんです。
…
1998年の3月、きっとすごく不安を抱えて、心細い気持ちでここに来たんだと思います。
「これから、僕はどうなっちゃんだろう?」って。
今みたいに、スマホもないし、パソコンのネットワークだって酷いもんだったし。
パソコンは当時も持参してたけど、ネットワークにつなげるっていう発想にならなかったもんなぁ。
でも、だからこそのスリリング感はいっぱいあったなぁ~~。
で、このフランクフルトから、5時間くらいかけて、(留学先の)コンスタンツに向かったんだよな。
…
あれから27年が過ぎたんだな、、、
27年後にまたこうしてホテルクリスタルの前にいるんだ…
って思うと、なんか、なんだか泣けてきます。
当時、22歳だった青年の僕も、もう49歳になって、、、
で、先生になって、学生を連れて、フランクフルトに来てる。
当時の僕に言ってあげたいな。
「お前、27年後も、ホテルクリスタルの前に立って、あーだこーだ言ってるぞ」
ってね。
あの当時、僕の対応をしてくれた日本人スタッフさん、もういないんだろうな…。
いや、まだ、いるのかな???
このホテルクリスタルがあるってことが、僕が1998年に留学したっていう証拠。
このホテルがある限り、僕は間違いなく、ドイツに留学してた。
また、いつか、ドイツで暮らしたいなって思う気持ちもある。
でも、現実的にはちょっと難しいだろうな、、、
…
22歳の僕は、もういない。
あの当時の繊細で臆病でビビりまくってた僕はいない。
そんなビビりまくってた僕が、当時の僕と同じくらいの年齢の学生を連れて、堂々と旅をしてるんだから。
面白いもんだなぁ、、、って。
27年経って、まだ懲りずにドイツに来てるっていうのも、面白いな。
あの当時、ドイツに留学してなかったら、今の僕は絶対にいなかった。
大学の先生なんてしてないと思うし、赤ちゃんポストの研究だってしてなかった。
全く違う人生があったんだろうなって、間違いなく思う。
それがよかったのか、悪かったのかも分からない。
ただ、27年という長い月日が経ってなお、僕はドイツに来てるんだなって。
僕という人間のアイデンティティに、やっぱり「ドイツ」って絶対に外せないな。
日本は大好きだし、日本を愛してるし、日本人に生まれてよかったと心から思ってる。
と同時に、ドイツが好きだし、ドイツを愛してるし、ドイツに生きられて本当によかった。
僕のドイツの原点は、間違いなく、このホテルクリスタルにある。
ここから、すべてが始まったんだ。
それだけは、変えようのない本当の真実なんだな、、、ってね。