Dr.keiの研究室2-Contemplation of the B.L.U.E-

◆D'ERLANGER◆a Fabulous Thing in Rose◆蘇る名曲たち!

D'ERLANGER、奇跡の復活後、実に四枚目のフルアルバム、
『a Fabulous Thing in Rose』がリリースされました!

今回のアルバムは、なんとなんと過去の名曲の再録アルバム。
けれど、単なるベストアルバムやリミックスアルバムではないんです。
解散前の、それこそ80年代~90年代初頭の楽曲が、
今のメンバーによって、「新たな魂」となって蘇ったのです。

なので、今回の作品は、僕にはコメントなどできないのです。
僕が中学生の頃に死ぬほど聴いていた名曲たちばかり。
自分がロックに目覚め、バンドに憧れてた頃の思い出の曲ばかり。
これを、言語で語るっていうのは、無理です、、、

とはいえ、圧倒的に演奏力、表現力をつけてのリ・レコーディングなので、
懐かしさと同時に、確かなサウンドを楽しむことができます。
(その辺は、今月号のフールズメイトを参照☆)

細かいことは後に語るとして、とにかくすごいアルバムになっています。
内容的にいえば、そんなに変なアレンジが施されていないんです。
全く同じっていうことはないんだけど、かなり原曲に近いプレイをしています。
Kyoの歌い方も旋律も、そんなに変わってなくて、
最後まで安心して聴くことができる、そんなアルバムになっています。

当時のイメージや世界観が壊れていない、
なのに、音自体はすごいタイトでひきしまっていてがっつりしている。
ギターソロなんかはかなり原曲のまんま。
なのに、確実によくなっているんですねー。
だいたい、この手のアルバムって、手を加え過ぎて、
原曲を超えるどころか、原曲の価値を貶めることの方が多いんです。

だから、今回のこの作品は、かなりロック史上珍しい作品になっているんです。
レコーディングされたオリジナル作品なんですが、
どこか、ライブCDみたいに聴こえるっていうか。。。
ライブを聴いている感覚になる楽曲なんですね。

【全曲解説】

1.Adameve
D'ERLANGERのアルバムはほぼ100%SEで始まる。
長年のファンとしては、最初のSEが実は楽しみだったりする。
今回のSEはなんとなんとLa vie en Roseのあの名SEが新たに蘇る。
フランス語での女性の甘い囁きがものすごい緊張感を生みだす。

2.LA VIE EN ROSE(English Lyrics)
本作は、聞くところによると、海外リリースが想定されているみたい。
そういうこともあって、国外のリスナー向けに作られたのがこれ。
往年のファンの間では、賛否両論が湧きそうだけど、
僕的には、心配していたほどには変じゃなかった。
っていうか、すごいメロディーと英語がぴったり合っている!!
復活後のLIVEで演奏されているLA VIE EN ROSEに近い感じ。
シャウトやギターソロなんかは、入れ方としてはかつてと同じだが、
同じことをやっているのに、全然聴こえ方が違っている。そこが凄い。
あと、ドラムがやっぱり全然違いますね。単純に巧くなってるっていうか。
ただ、巧いっていうんじゃなくて、そこに「生」や「命」が入っているんです。

3.INCARNATION OF EROTICISM
こちらは、かつての名作BASILISK」の2曲目だったLIVE向けの曲。
こちらも、演奏の大まかなところはかつてとほとんど一緒。
だけど、エフェクトのかけ方や細かい部分でのアレンジは満載。
今回のアルバムのなかでは、かなり原曲に忠実かな。
いや、なのに、曲の聴こえ方は違うんですよね。なんでだろう?
2で「生」や「命」が吹き込まれている、と書いたんだけど、
この曲に関しては、さらに無機質ぶりがパワーアップしている。
有機的なのに、すごい無機的に聴こえて、なのに生で溢れている、という。
これ、ちょっと難しい表現ですね。でも、そんな感じなのです。
最後のギターのノイズのあたりとか、すごい「生」を感じるんです。

4.an aphrodisiac
立てつづけにアッパーな曲がたたみかけてきますねー。
これは、インディーズ時代のライブの必殺曲ですね。
こちらも、かつての曲を知っている人でも安心して聴けるアレンジになってます。
くどいですが、変に曲をいじってないんです。むしろ、引いているっていうか。
ギターのノイズがすごいカッコいいです。ここまでやるか!というくらいに。
kyoのシャウトは、全然色あせないですねー。日本一シャウトが巧い男!
この曲も、最後のkyoの声というか、息に注目したいところですね。
間違いなく、かつての曲に「命」を吹き込んでいる、と!!

5.LAZY SLEAZY
この曲、僕的にD'ERLANGERのなかで最も好きなBEST3に入る曲☆
中学生のころは、この曲をいったい何回聞いたことだろう。
そんな僕が聴いても、こっちの方が100000倍好きかも。
過去の記憶を裏切らず、それでいて、新鮮さや斬新さを感じさせる。
多分、職人的なギタリストだと、勝手なことをやって曲をぶち壊すと思う。
けれど、そこはサイファ。当時のままのリフを弾いてくれてますからね。
なのに、ピッキングの仕方や細かいニュアンスで変化をつけてくる、
これが、D'ERLANGERなんですよね。技術を超えたアート性というか。
あと、ドラム的に超気持ちいいんです。特にBメロ。
Bメロの各四小節目のドラムのフィル、哲が遊びまくってます。

6.EVERYTHING IS NOTHING
これは、レコーディング曲としては初めてのお披露目かな?!
インディーズの頃の曲で、解散ラストCDにライブ音源としては収録されてます。
でも、Kyoが言ってましたが、当時の歌詞がどこにもないんですって。
だから、そのライブCDを聴きながら、改めて歌詞を再構成したそうです。
すごいですねー。それにしても、D'ERLANGERとしては斬新な曲です。
インディーズの頃の曲とは本当に思えない。今の曲って言えそう。
途中(2:20~)の5拍子になるところ、そのあとの遊びのフィル、
そういうこところに、ものすごいベテランの貫禄を感じますねー。
SEELAのセンスから生まれたアドリブとみた!!!

7.SAD SONG
こちらは、かつての曲にキーボード・ピアノが多様されています。
もともとはあんまり好きな曲じゃなかったけど、これを聴いて好きになりました。
20年の時を超えて好きになる曲ってそうそうないよなーと考えたり。
ただ、この曲を聴くと、自分の中学生の頃を強く思いだす。
僕自身がすごい堕ちてた頃だったから、この曲に結構自分を重ねあわせたり。
昼夜逆転してたから、歌詞もすごいはまってたし。
…ってことは、その当時から、僕はこの曲が好きだったってことか?!
それにしても、ストリングスがすごいはまる曲ですねー。
いつかは、オーケストラと一緒にやれたらいいですね☆
あと、kyoの歌い方がどこかDIE IN CRIESを彷彿とさせるのはどうして?

8.SO...
SAD SONGからのつながりが最強に気持ちよいですねーーー!
この曲も、大人になったSO...って感じ。当時のイメージが崩れてない!!
D'ERLANGERって、ホント、技術じゃなくてコンセプトのバンドだなって思う。
もちろんとんでもなく巧いんですけど、巧いで片付けられないというか。
演奏は、やっぱこっちの方が断然説得力があります。カッコいい☆
なんか、20年が経って、ようやく広瀬さんの「SO...」が完成したって感じがしました。

9.MOON AND THE MEMORIES
このアルバムは、ベスト+LIVEの融合型の新しいアルバムのスタイル。
この曲を聴くと、まさにそれがぐっと伝わってくる気がする。
8との連続性を考慮すると、なんかスタジオ生ライブを楽しんでいる気持ちになる。
そう、スタジオ録音のCDなのに、ライブを聴いている気になるのだ。
多分、それが今回のアルバムの裏のねらいなんじゃないかな。
D'ERLANGERファンの一人ひとりにライブを届けているアルバムっていうか。
今、自宅でこれを聴いているんだけど、ライブの中継を楽しんでいる気持ち。
ドラム的には、途中(4:50~)のソロですよね。日比谷野音にいるみたい。
kyoの歌のソロの裏の哲の金物がすごい気持ちいいんですよー。
色々、本当に勉強になります。ドラマー的に(^0^)www
最後のギターはまさにライブって感じです。

10.SADISTIC EMOTION
きっと多くの人が一番楽しみにしていたのがこの曲じゃないかな。
D'ERLANGERのファンの間でも人気の高い不屈の名曲です。
僕的には、復活の日比谷野音のリハーサルで聴こえてきた印象が…
この曲も、ほとんど大幅な変更はなされていません。
なのになのに、こっちの方が断然迫力があってカッコいいんです。
この曲だけじゃないけど、Kyoのレベルがすごい上がったんだと思う。
kyoというボーカリストの成長ぶりが一番分かる曲になっていますね。
単純にカッコいいですわー。

11.DARLIN’
僕的に、多分D'ERLANGERの曲のなかで一番好きな曲。
なので、目立たないところの変化、進化がすごい感じられました。
テンポも当時と結構違う気がするんですが、どうでしょう?
それに、演奏力や表現力がupしているので、迫力が全然違います。
ごまかしがない、っていうか、一発録音的な臨場感があるっていうか。
サビを聴くと、今でもどんどんテンションが上がっていきます。
イントロやアウトロのメロは、もう本当にカッコよすぎですよー。
僕自身、ギターを手にしたときに、死ぬほど練習した曲だしなぁ。
最後のところも、ライブバージョンで本当に大満足!!!

12.XXX for YOU [Best Track]
ここからは、復活後の曲ですね。
Best Trackとのことですが、ほとんど一緒です。
っていうか、リマスタリングをしたくらいなんじゃないでしょうかね。
ストリングスやギターの音量がやや違っている気はしますが、
変わってないと言われれば、「ああそうか」っていう程度。
(ギターの高音が抑えられて、キーボードがやや高め?)
Best Trackの意味については、今月号のフールズメイトに書いてありますよ!
ま、それはともかく、この曲もやはりD'ERLANGERの新たな名曲ですよね。
キメ曲っていうか。復活後の曲としては、一番の代表曲です☆

13.柘榴 [Best Track]
この曲も、復活後のD'ERLANGERの代表曲の一つですね。
「新しいD'ERLANGER」の世界観がぎゅっとつまった曲になっていて、
サイファ的には、現代的なキャッチーなポップな曲だったかと。。。
僕自身、ふとしたときにこの曲を口ずさんでいるんですよねー。
昔からのD'ERLANGERのファンなら、もう30歳を超えてますよね。
その昔からのファンの「今」に届ける一曲だと僕は思っています。
当時のファンも今は立派な大人。人生の酸いも甘いも学んできた。
そんな今のファンにぴったりとあった曲なんです。きっと。

14.Angelic Poetry [Best Track]
D'ERLANGERって、一つ何かが違っていたら、きっとすごい売れてたんでしょう。
彼らの魅力は、やはり何といっても、ポップでキャッチーでカッコいいところ。
一度聴いたら、耳に残るっていうか。何度でも聴きたくなるっていうか。
復活後もその根本は変わってない、そう思わせてくれるのがこの曲でしょう。
SO...やMoon and the...に通じるポップセンスが輝いている曲です。
っていうか、D'ERLANGER史上、最高のポップスなんじゃないかな。
すごいポップなんだけど、D'ERLANGERでしかないっていうか。
これだけ音楽をやってきて、まだこういう曲を書けるか!!!
って、何度もサイファに心のなかで突っ込みましたもん。
基本的に、哲が作りそうな曲なんですけどねーーーーwww

***

今回のアルバムは、12000円の限定盤と通常盤がリリースされました。
どちらを買うべきかすごい悩みました。12000円って破格の値段なので。
色んなD'ERLANGERファンの人に話を聴いて、考えました。
噂でDVDが付くとかいうのもあったけど、DVDは付いてないそうです。
それから、BEST TRACKっていうのはあくまでも海外盤向けということです。
まぁ、ファンならお金をいくらつぎ込んでもよいんでしょうが、、、
ただし、純粋に音を楽しむのであれば、通常盤で十分なのでは?
と、僕は思いました。ま、どちらを買うかはファンによって違うでしょうね。

まぁ、お金をもっている人はもってますからねーー(涙)
12000円でも余裕で買える人はいるんでしょうねー。
僕的にはちょっと高価すぎました、、、
(CDが2枚、ないしはDVD付きだったら、限定盤買ってたかもしれませんが…)

みなさんはどちらを購入されたんでしょう?!?!

コメント一覧

nob
限定盤、通常盤
keiさん
コメントありがとうございます。

限定盤ですが、通常盤と比較して、追加で入っているのは「an aphrodisiac(trance rock remix)」と「LA VIE EN ROSE」日本語バージョンだけですよね。
(「dummy blue」は、通常盤にもあるようですが、限定盤は英語歌詞バージョンなので、ちょっと違うのかもしれませんが)

なので、あまり違いはないなあ、というのが本音です。
通常盤とカブらない曲が入っているなら、多少「お得感」が出たかもしれないのですが…。

remixは、おもしろいですけど、remixでしかないですし。

ただ、最後が「LA VIE EN ROSE」で終わるので、全体の流れとしては、ライブの本番セットリストが「DARLIN'」までで、通常盤のボーナストラックが「アンコール1」、限定盤の分が「アンコール2」みたいな雰囲気ですね。
そういう意味でも、keiさんがおっしゃっているように、ライブっぽい。

……そう考えると、限定盤1万2000円は、高い、感じもしますねえ…。
フォトブックは、歌詞カードとほとんど同じ写真でしたし…。

まあ、サウンド的に不満はないので、いいのですが。

CIPHERのギター、賛否両論なんですね。
もっと目立って欲しい人もいるでしょうね。
でも、なんというか、あの人の姿勢を見ていると、「こういう立ち位置が好きなんじゃないのかな」とも思います。
きちんとメンバーを尊重するというか。
自分だけ目立ちすぎないように、自然と一歩ひいた所にいるというか。

ウケ狙いのプレイをしていないところを見ても、そう感じます。

FOOL'S MATEのインタビューで「人間力」という言葉をメンバーが出していたように思いますが、そういうことだと思います。
技術の力とか、流行に乗った勢いとかではない、ほんとうに自分たちが自分たちのできる力で音楽と向き合った姿をこの1枚に凝縮させた、そういう印象を受けるアルバムです。

それだけ、この4人で音楽をやることが楽しいし充実しているんだろうな、と感じさせられます。
これからも、デランジェにしかできない4人の音を奏で続けてほしいと思います。
kei
nobさん

限定盤を買われましたかーーー。いかがでしたか??

たしかに、ベース、ドラムの暴れぶりは半端ないですね。特にSEELA!凄いです。ベースってここまで凶暴にイケるんだ!って思いました。

サイファのギターは、賛否両論がありますね。激怒している人もいれば、これでいいという人もいるみたいです。

僕も、「達人」かなって思いました。変にいじってませんもんね。

LULLABYは再録してもらいたかったですーーー。でも、まぁ、ララバイが聴きたければ、ライブに来い、と。。。そういうことですかね。

でも、デランジェの底力を見せつけられた気がしました☆
nob
色褪せないどころか
思い切って限定盤に手を出してみました。
各曲の印象は、keiさんが書いている通りだと思います。

解散した時、僕は高校生でした。
「BASILISK」は、盤面が傷だらけになるまで聴いてました。
最近のはやりの歌は、歌詞もメロディーもぜんぜん覚えられないのに、このアルバムは全曲、くちずさめてしまう!

もう20年ぐらい前の曲だってあるのに、ぜんぜん色褪せてないどころか、輝きを増してる感じがします。

Tetsuのドラム、SEELAのベースの暴れぶりが、すごいですね。
kyoのボイスは、円熟って感じ。
CIPHERのギターは、抑え気味なのにしっかり存在感があって、達人の域。

できれば、「Dear Secret Lover」、「Lullaby」も再録してほしかったなあ。

kei
ypさん

Adameveって、バシリスクのSEも重なってますか?? Hurtsでしたっけ?? 手元にバシリスクがなくて、、、(汗)誰かに貸したままどこかに消えてしまっている可能性が、、

たしかに、La vie en roseのギターリフ、抑え気味ですね。弾き方(ピッキングの強弱)も変わりましたね。

是非、限定盤の曲の感想も教えてください!そして、そのコメント、引用させてください☆
yp
まったく余裕は無かったのですが、今回は限定盤をチョイスしました。
音づくりやミックスが『LAZZARO』の頃とはかなり変わってきましたね。
いつもよりいい意味で生っぽく、アナログっぽく感じました。

まずAdameveの構成にはニヤニヤしっぱなし(笑)
LA VIE EN ROSEは原曲に比べイントロのギターリフが抑えられてますよね。
SAD SONGは原曲では淡々としたムードでしたが、今回はサビのコーラスやアレンジで広がりのある展開になったと思います。
武道館の時のストリングスとの共演が功を奏したのでしょうね。
どの曲も原曲と聞き比べながらじっくり楽しめる一枚だと思います
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