僕がドイツ語を学び始めて12年が経った。もう12年、というよりは、まだまだ12年だ。語学の世界では、12年なんて大したことはない(と思う)。特に国内で学び続けていると、語学力はなかなか成長してくれない。
でも、12年という自負はある。一つのことを12年続けることって結構たいへんだし、19歳から始めたこととしてはかなり長いほうだと思う(ピアノやスポーツなど小さい頃からやっているものは別)。少なからず、これまで12年間やってきたんだ、という誇りは、正直なところ、僕の内に確かにある。
先週、翻訳本の原稿を出版社に提出した。三年がかりで、一つの大仕事を終えた。これもまた僕のドイツ語人生にとっての大きな誇りとなった。「俺ってやるじゃん・・」、「頑張ればできるじゃん」、「もうそろそろ、ドイツ語できます!と胸を張ってもいいんじゃないか」、、、等々。自信か過信か分からないが、そういう自負の心が芽生えていた。
これまでに、通訳の仕事も三度ほどやらせてもらった。講演の通訳もやった。今回、翻訳もやった。僕の中で、「ドイツ語、できるじゃん」という勘違いにも等しいいやらしい心が生まれつつあった。「すげえじゃん、おれ・・・」・・・
だが、そんな慢心、傲慢、勘違い、過信は、幸か不幸か、すぐにぶち壊された。
ドイツ人の僕の親友のヤン君から、今日電話があった(国際電話でkeiの携帯にかかってくるのだ)。彼との電話のやり取りは1,2ヶ月に一度くらいある。大した話はしないが、ドイツ語で会話する貴重な機会となっている。今日もそんなノリではあった。
が・・・ 今日はなぜだか、彼が何を言っているのか、全然頭に入ってこなかった。「あれれ?!?!」。。。 色々と話してくれるんだけど、話のポイントが見えてこない。だんだん焦ってくる。「・・・・だから、・・・なんだ。それで・・・っていうわけだから、・・・がいいんだ」・・・ んんんんん?!
訳わからないから、こっちも、携帯電話だということをいいことに、「ヤン!ゴメン。電波が悪い、聴こえにくい」と言ってしまった。なんということを・・・ それで、その後ちょっとした会話をして、バイバイして電話を切った。。。
むむむ・・・ なんということだ。これだけやってきたはずなのに・・・ 彼との付き合いももう9年くらいなのに・・・ かな~り、ショックを受けて、凹みに凹んだ。「あれ、俺ってドイツ語出来てたんじゃないの?!」・・・
あの後、冷静に考えてみると、聞き取りにくい訳は分かったのだが、それにしてもひどすぎた。自信は、過信となり、その過信は、もろくはかなく散って消えた。やはり、僕は生まれつき調子に乗るとガツンとやられる運命にあるらしい。。。
まあいいさ。これで終りじゃない。これからもっと本腰を入れてドイツ語を勉強するぞ。まだたった12年なんだ。これからが本当の勝負なんだ(と、無理やり自分に言い聞かせてみる)。
*今夜、食べたのは、『凪』(@渋谷)プロデュースのカップラーメン。もうこの歳になると、カップラーメンはかなりキツイ。