Road to Kona・・・遥かなる長い道

1988年のIronman Hawaii以来、Hawaiiにこだわり歩み続ける「長い道」。

チェジュ報告

2010-07-14 19:09:00 | トライアスロン

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ついに念願のハワイクォリファイをゲットしました。しかもエイジ1位で。

昨夜遅く家に着き、この「AWARD」を眺めながら、しばし余韻に浸ってました。

思えばハワイ復帰を決意した瞬間からこれまで、流れはジャパンの中止を含めて

ドラマチックで、すべてが僕にとって必然というか、プラスに働いてきた気がします。

改めてこれまでお世話になったすべての皆様に感謝の気持ちを伝えたいと思いま

す。ありがとうございました。

以下にレースリポートを。

 

7月8日(木)

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ついにやってきた決戦の地、チェジュ。予想していたより晴れて、暑い。島の北側に

ある空港から反対の南側のレース会場までバスで移動。途中通ったバイクコースと

なるハイウェイは、ハワイを髣髴とさせる雰囲気だ。

途中、登録会場のワールドカップスタジアムで登録を済ませる。ここはバイクフィニッ

シュ~ランスタート~フィニッシュとなるところで、おのずと緊張感が高まる。

7kmを3往復するランコースは、ずっとアップダウンの連続だ。

 

登録後10km離れたスイム&バイクスタート会場となる中文地区のコンドミニアムに

チェックイン。荷物の整理とバイクの組み立てを終わらせてから、コースの下見を

兼ねて軽いジョグに出かける。が、「軽く」というわけにはいかなかった。とにかく平坦

な所がほとんどなく、坂ばかりだ。息が上がる・・・。

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7月9日(金)

今日も晴れだ。この天気を日曜日まで取っておいてほしい・・・。

夕方のカーボパーティーまで暇なので、バイクコースの下見に出かける。

バイクスタートから序盤の坂を上り、ワールドカップスタジアムの先を北上して

山道に入る。斜度はキツくないが、いやらしく続く感じだ。

なにしろほぼ1ヶ月間100km以上の距離を乗ってないし、そもそも1週間バイクに

乗ってないので、感覚を呼び戻す意味もあり、疲労を残さない程度に負荷をかける。

トータル35km程度だが、バイクコースとしてはちょっとタフな印象が残った。

 

スイムコースはというと、外洋だけに波が高く、流れがあるらしい。風も強いので

泳ぎにくそうだ。どれをとっても不安だらけ。しかも、これまで経験したことのない

種類の不安だ・・・。

 

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カーボパーティーは、今までで食事の内容としては一番良かったように思える。

IQから流れた一人あたり5万円のエントリーフィーが効いているのか?

懐かしい人の顔もちほら、少しずつ気合が乗ってくる。

 

7月10日(土)

朝からどんよりとした曇り空、天気は明らかに下り坂だ。やはり明日は雨か・・・。

午前中に明朝の支度をし、バイク預託に出かける。

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ギアチェックインも済ませ、ひと段落する。

午後からとうとう雨が落ちてきた。新車を雨ざらしにするのは忍びないものがある。

夕方の競技説明会が終わると、もうすることもない。ハワイなら海辺でひざを抱え、

感傷に浸るという手もあるが、外は雨だ。ルームメイトは自炊で早めの夕食を済ませ

て早々に就寝。僕も翌日食べる赤飯をボイルしてから、あるものでお腹を満たし、

9時前にはベッドに入る。不思議と緊張感や不安はないが、明日本当にレースなの

か、実感が沸いてこない不思議な感覚だ。なかなか寝付けないが、やがて眠りに

落ちていく・・・。

 

7月11日(日) Race Day!

目覚めたのは、時計のアラームをセットした4時より少し前だった。外は雨だ。

ため息とともに、ルームメイトが起き出すまでベッド横になったままでストレッチ。

4時、いよいよ始動だ。前日ボイルした赤飯をかき込んで、ビタミン剤とBCAAを

ヴァームで流し込む。食事という概念はなく、単なるエネルギー補給だ。

6時前にスタート会場へ向かい、ナンバリングとバイクセッティング。アイアンマン

ではないので、ナンバリングもいたって簡単、バイクラックへの出入りは自由、

拍子抜けするくらいだ。

ウェットを着てスイムスタート地点へ移動するが、波が高く、ウォームアップをする

気にさえならない。本当に3.8km泳げるのだろうか。イメージさえできない。

「オチャピー、力を下さい」ウェットを借りた長田くんへの神頼みだ。

砂浜で呆然と立ち尽くす。

この時の僕の様子を見たら、およそエイジチャンピオンになる選手とは思えない

だろう。

スタート5分前、韓国語の放送とともに大きな歓声が響き渡る。

その後の日本語での放送に耳を疑う。「スイムは中止」。

可能性は聞いていたが、まさか現実になろうとは・・・。が、明らかにラッキーだ。

多少申し訳ない気持ちになりながら、いったん部屋に戻ってバイクスタートに備える。

8時ちょうど、男子プロ、女子プロ、そしてエイジの高い順番に3秒おきにスタート。

僕のスタートは8時15分くらいとなった。

前は50過ぎの(自分も含めて)オッサンばかり。何でこんなにゆっくり走れるんだ?

と思えるくらい、周りが遅い。追い風と下り坂の勢いに乗って45km/hくらいで

かっ飛ばす。「100kmからは登りなので序盤は抑えるように」とのアドバイスは、

頭の片隅からとっくに追いやられていた。25kmあたりでほぼ一人旅。前後には

誰もいない状態になる。たまに現れるのは、女子と比較的元気なシニアだ。

50kmあたりで一人二人と抜かれるが、気にしない。マイペースで通す。

60km過ぎから上りに入り、風もアゲインストに変わる。

アウターで通せるくらいのゆるい坂だが、向かい風の影響か、しだいに腰が痛く

なってきた。いつも30km付近から現れる症状だが、とうとうやってきた・・・。

標高が高くなるにつれ、風雨が強くなり、視界も悪くなってきた。50mくらいか。

100km~130kmまでは、あらゆる意味で一番キツイ区間だった。坂、風雨、視界、

腰、股擦れ、そして「トイレ」。久しぶりのレースで慣れないせいか、「トイレ」が

うまくできない。これは大きなストレスとなり、レースに集中できない大きな要因と

なる。結局、バイクフィニッシュまでできずじまいだった・・・。

130kmからは下り、その後追い風になり、再びスピードに乗ってバイクフィニッシュ。

キツクはなかったが、辛かった。

 

ランはキツかった。バイク脚からの回復はいつも通りの距離でできたが、なかなか

リズムに乗れない。アップダウンに加え、7kmの往路が向かい風、復路が追い風と

いう偏った条件が原因だ。ペースが上がらず、エイドでの補給で立ち止まるという

決定的な悪癖を作ってしまった。いつものペースに少し近づけたのは20kmを過ぎた

あたりだったが、スイッチを入れ直すまでには至らなかった。

最後はいろんなことがあったこの半年間をかみしめながらのフィニッシュ。

決して満足できる結果ではなかったが、半年の準備期間にしては、よくやった方だと

思う。目標はハワイ、課題が見つかったことを成果としよう。

一度は諦めかけた今年のハワイだが、想いを強く持てば願いは叶うことを改めて

実感した。

バイク5時間39分04秒

ラン3時間24分13秒

トータル9時間04分48秒

総合23位

エイジ(M50)1位

Road to Kona が開けた瞬間だった。

 

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