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バニーズII(三共、権利物)の連チャンシステムについて

2013-08-06 23:33:02 | 権利モノ

1993年(平成5年)に三共から登場した変則3回権利物「バニーズII」

 

★賞球6&13
★通常時の大当り確率…1/300
★通常時の小当り確率…1/300
★大・小当りトータル確率…2/300=1/150
★大当り絵柄…「33」「77」の2種類
★小当り絵柄…「73」「37」の2種類
★大当りの場合、以後2回当るまで確変状態に突入(3回権利)
★小当りの場合は、1回権利のみ
★確変中の確率…大当り・小当りともに1/6(合成確率=1/3)
★継続ラウンド数…大当り時=16R(約2000発)、小当り時=1R(約120発)
★大当り後・小当り後は、天国モードに突入。早い回転での数珠連チャン有り。
★天国モード時の確率…大当り・小当りともに1/12(合成確率=1/6)
★天国モード転落率…1/6
★天国時の連チャン率…50%

★兄弟機「バニーズI」(2回権利、賞球7&15、出玉4500個、大当り確率1/150、連チャンなし)


バニーズI(1993年)…こちらはデジタルに「7・7」「JP・JP」で大当りとなる。小当りはない。


ルーレット式の2ケタドットデジタルと、両デジに挟まれた二人のバニー嬢が印象的だった本機。

個人的には、町田「エース」、向ヶ丘遊園「ぱちんこ遊園」、下北沢「下北レジャー」、新宿西口「ニューミヤコセンター」など、多くの店で対戦した思い出の一台である。めくるめく連チャンで興奮し、先の見えない大ハマりで青くなる…そんな事を繰り返した当時が、懐かしく思い出される。

 

ゲーム性…左肩チャッカー通過で、デジタル上部の電チューが0.24秒開放。電チューに拾われた玉が、役物内の始動センサーに乗ると、メインデジタルが回転。デジタルが「33」「77」なら大当り、「37」「73」なら小当りとなる。

リーチはシンプルだが、回転時間が長くなる程に、期待感が膨らんだ。普段はアッサリ止まるデジタルも、リーチでスロー突入した後、当り図柄を2度通過して3周目に突入すると、小当り以上が確定するのだ。「2周を超えろ!」と、リーチ中に強く念じた方も多いだろう。

本機は3回権利モノだが、必ず3回の「大当り」(16R)が来る訳ではなく、2,3回目は「1/2」の振分けに負ければ、「小当り」(1R)も混じる。「大・大・大」のフルコースなら約6000個、「大・小・小」の最悪パターンだと約2200個という具合に、ヒキ次第で出玉に幅が生じた。

また、初当りが「小当り」だった場合、1ラウンドのみの1回権利で、出玉はたったの120個。大当りと小当りでは、まさに雲泥の差である。

ただ、本機の場合、強力な「数珠連チャン」が仕込まれており、小当りからでも爆発を期待出来た。3回権利の大当りがポンポン続けて来ることもあり、何かと夢のある仕様になっていた。その分、通常時の玉持ちは悪く、吸い込みの速さも特徴だった。


 

さて、本機の確率等については、表向きは「通常時の大当り確率=1/150、確変時の確率=1/30」とされていたが、実際の数値は少々異なる。ここで、本機の内部確率や連チャンシステムなどを、あらためて考察してみたい。

 

★大当り判定…一発判定ではなく、4つの乱数カウンタ(A,B,C,D)を使用した「4段階判定方式」

・カウンタA…通常時・確変時ともに「0~2」の3コマ。当選値は「0」
・カウンタB…通常時=「0~24」の25コマ、確変時=「0~9」の10コマ。当選値は「0」
・カウンタC…通常時=「0~1」の2コマ、確変時=「0」の1コマ。当選値は「0」
・カウンタD…通常時・確変時とも「0~3」の4コマ。「0,2」が小当り、「1,3」が大当り

 

本機では、まず「A」「B」「C」3つのカウンタによる抽選に、順次当選する必要がある。残るカウンタ「D」は、大当りor小当りの「振分け」に用いられる。

通常時、各カウンタの当選率は、A=1/3、B=1/25、C=1/2。つまり、1/3(A)×1/25(B)×1/2(C)=1/150をクリアすると、「小当り以上」が確定する。当初発表された「1/150」という数値は、実際は大小当りの「合成確率」だった訳だ。

A~C全ての抽選をクリアすると、最後にカウンタDによる「大当りor小当りの振分け」に進む。ここでは、Dが偶数(0,2)なら小当り、奇数(1,3)なら大当りとなる。大小の振り分けは1/2。よって、通常時の確率は大当り、小当り共に、1/150(ABC)×1/2(D)=1/300となる。

「1/2」という振り分けの判り易さゆえ、初当りが小当りだったときの勿体なさといったら…。

また、メモリー機能を持たない本機において、「1/300」(合成でも1/150)という数値はかなり厳しいもので、実質は「地獄モード」と言っても過言ではなかった。延々とハズレ出目の羅列が続き、いいようのない不安に駆られたことも少なくない。

 

なお、本機には、仕込みの「モーニング機能」があるが、上記のカウンタ値を見れば、そのカラクリも一目瞭然であろう。

本機のモーニングとは、デジタル始動センサーが玉を感知した状態で電源を入れると、1回転目に必ず「73」の小当りが発生して、以後は天国モードに突入するというものだ。朝イチや、新装時の客寄せサービスとして、一部のホールが使っていた機能である。

なお、同時期には、「フィーバーフェスティバルI」などにも、同様のモーニング機能があった。

本機では、電源オン直後、全てのカウンタが「0」からスタートする。その為、デジタル始動センサーに玉を感知させたまま電源を入れると、A、B、C、Dいずれのカウンタも、強制的に「0」を取る。この場合、ABCの抽選を全てクリアして、Dの振り分けでは「小当り」となる事が、上記の数値から判るだろう。モーニングのカラクリは、内部的には非常にシンプルなものであった。


・本機のモーニング機能に触れた、当時の記事より抜粋。「仕込み台」は小当り直後からスタートする為、通常時に同期して回転する左右デジタル(デジタルは普段からグルグル回っている)に、周期のズレが生じる。このズレによる「モーニング台判別」が可能だった。

 

 

大当り時は、プラス2回(ループなし)の確変に突入するが、確変中、乱数カウンタの範囲が変わるのは、「B」と「C」の2つである。

カウンタBは25コマ⇒10コマに、カウンタCは2コマ⇒1コマ(100%当る)にそれぞれ変動して、当選率が大幅にアップする。

この事から、確変時の確率は、計算上は大当り・小当り共に1/3(A)×1/10(B)×1/1(C)×1/2(D)=1/60(合成確率=1/30)となる。当初出回った確変時の確率「1/30」は、やはり大小含めての確率であった。

だが、1/60(1/30)という数値は正確ではない。実際には、さらに甘い確率になっていたのだ。

なぜなら、確変中は、カウンタBが常に「0」しか取らないように設計されていたからだ。実質上、確変中はカウンタB、C共に「フリーパス状態」(100%当る)の為、カウンタAの抽選をクリアするだけで、小当り以上が確定した。

よって、確変時の実質的な確率は、大当り・小当り共に1/3(A)×1/2(D)=1/6(合成確率=1/3)となっていた。確変時、いつも10回転以内の早い当りが来て、「1/30にしちゃ、やけに早く当たるな」と疑問に思っていた方も、これなら納得されるのではないか。

もちろん、カウンタDの振り分け次第で、「大大大」にも「大小小」にもなる事は、言うまでもない。

 

 

さて、大当り(3回権利)終了後、或いは小当り終了後は、必ず「天国モード」に移行する。これをA~Dのカウンタでみると、どうなっているのだろうか。

まず、カウンタAの状態は通常時と同じで、1/3の抽選がある。次に、カウンタBだが、これは確変時と同様に、完全な「フリーパス」となっていた。一方、カウンタCについては、通常時と同じく1/2の抽選がある。

つまり、天国モード時は、1/3(A)×1/2(C)=1/6の抽選に当ると、小当り以上が確定する。カウンタDでの大小振り分け(1/2)を加味すると、天国モード時の内部確率は、大当り・小当り共に1/12となる。これが、本機における数珠連チャンの「正体」であった。

一方、天国モードからの転落率は、1/3(A)×1/2(C)=1/6となる。つまり、カウンタAに当選した後、カウンタCの振り分けで落とされると、通常モードに落ちる訳だ。一方、カウンタAの抽選で早々にハネられた場合(2/3)は、モード転落することなく天国に滞在する。

すなわち、天国滞在時はループ率、転落確率とも1/6で1:1となる為、連チャン率は50%となる。1回転ごとに、どちらの「1/6」を先に引くかが勝負となった。

運悪く通常に転落した後は、再び1/300(合成確率=1/150)の低確率状態(地獄モード)となり、ひたすら苦労する事になる。

 

 

以上が、バニーズIIにおける、内部確率及び連チャンシステムの概要である。少々ややこしい部分もあるが、ご理解頂けただろうか。

かいつまんで言えば、大当りも小当りも、通常時=1/300、確変時=1/6、天国モード時=1/12というのが、本機の正確な確率である。大小の合成確率でいうなら、これらの数値をそれぞれ2倍すればOKだ。相変わらずの「今更」情報だが、何かの参考になれば幸いである。