今から20年前、実際のホールで行われていた、とある「サービス」について。
この話は、当時の必勝G誌(増刊)においても「体験記」として紹介されたので、ご存知の方もおられるだろう。
東京近郊のK県※で営業するパチンコ店「V」では、客寄せの為に、ある「変わったサービス」を行っていた事がある。
(追記…先日、「このV店はどこにあったのか」という質問をメールで受けました。もう「時効」なのでいいますが、実は神奈川県海老名市の相鉄線・さがみ野駅前にあった「バリバリ」というお店です)
といっても、かつての浅草の名店「浅草国際ゲームセンター」(PART1~PART3)のように、従業員が全員ボディコンギャルで、カウンターではウサ耳姿のバニー嬢がお出迎え…という男性客向けサービスではない。
V店での「サービス」とは、デジパチ「麻雀物語」(平和・新要件機、1991年)で大当りを重ねると、「大役満賞」という名目で、大量の特殊景品をゲット出来るというものであった。
このV店、地元ファンや一部プロの間では有名なホールで、日頃から様々な過激サービスを行う事で知られていた。’93年という新基準機の全盛期にあって、一発台「キャラバン」(マルホン)をしぶとく残しており、しかも打止め数が破格の「2万発」(2.5円交換)という太っ腹ぶり。しかも、夜になると打止数が一気に「4万発」に倍増するタイムサービスまで行っていた。まぁ、その分、釘もガッツリとシマっていた訳だが…。
さて、V店・麻雀物語の「大役満賞」は、客が大当りした時の「図柄」が関係していた。
ご存じの通り、「麻雀物語」の大当り図柄は、一ピン~九ピンの筒子(ピンズ)九種と、「東」「南」「西」「北」「白」「發」「中」の字牌7種からなる(計16種)。
この店では、「東」「南」「西」「北」「白」「發」「中」の字牌で当ると、各台の頭上に、当った字牌をデザインした「札」(ふだ)が入るシステムになっていた。
そして、全ての字牌札が頭上に掛かると、「大役満賞」として16万円分の特殊景品を得ることが出来たのだ。射幸心煽りまくりの、実に香ばしいサービスである(笑)。
(大役満賞・完成の図)
また、大役満賞に届かなくても、「白」「發」「中」(三元牌)の3種類をコンプリートした場合は、「大三元賞」として2万5千円分の景品をゲットできた。
さらに、朝イチにおいては、三元牌のうち2種類の札が全台に入っており、残り1図柄で当てれば、もれなく大三元賞が貰えるという、モーニングサービスまで行われた。必然的に、朝から大三元賞を狙い打つ「カニ歩き」も有効となった。
なお、一度付いた札は、大役満賞や大三元賞が完成するまで、外されることはない。また、同じ客が一日に何度賞を出してもOK。さらに、打ち手が変わっても、いったん台に付いた札は、そのまま残る。それだけに、「役満完成まであと僅か」という時にタネ銭切れとなった時の無念さは、察するに余りあるものがある(笑)。
当然、各台の釘は非常にキツく、「2.5円・LN制」(字牌以外は継続可)にも拘らず、1000円で20回以下の回収台がゴロゴロしていた(2.5円交換の場合、ボーダーは無制限でも約26回)。いくら保留玉連チャン率が23%と高くても、肝心の初当りが来なければどうしようもない。
ちなみに、G誌(増刊)の実践記事では、編集部のベイビー、三橋、倉田の三氏がV店を訪れ、この香ばしいサービスを体感している。あえなく三人とも撃沈…と思いきや、ベイビー氏が閉店間際に大役満賞を獲得し、プラス20万両オーバーの爆勝ちを収めた(他の二名も、大三元賞を取るなどしてプラス収支と健闘)。
まぁ、今考えれば、一発で「お咎め」を受けるべき「過剰サービス」だが、この時代は、意外とこういった派手なサービスやイベントを行う店が、各地で見受けられた記憶がある。90年代前半独特の「ユルさ」が、このテの「撒き餌」を可能にしたのかもしれない…。
★追記(2016.8.17、ファンさんへ)
コメント、有難うございます。
お尋ねの件ですが、1993年6月発行
「デジパチ必勝ガイドVOL.6」
(パチスロ必勝ガイド6月号増刊)に、
さがみ野V店での実践模様が出ています。
(追記、ここまで)