キタカゼとタイヨウ

「意識不明の重体」「重症びまん性脳損傷」から奇跡的に回復、社会人になった息子のこと。母の読書記録などなど。

「ふたりの文化祭」

2016-06-27 08:47:11 | 本と雑誌


抜粋します

「全く本を読まない人って、なにを考えてるんだろう」
最も身近にいる大人ふたりを思い浮かべながら、そんなことを話題出す。
「小説を読めるのって、特別な能力なんだよ」
「え、そうなの?」
「あたしとか、あやたんとかには、呼吸をするように当たり前にできることだけど、才能ない人間には小説は読めないんだと思う」
「いやいや、そんなことはないでしょ」
この国の識字率は高い。義務教育を受けていれば、誰だって本は読めるはずだ。
「文字が読めるからといって、読解力があるとは限らない」
「それはそうだけど」
「あたしに生まれつき運動の才能がなくて、二重跳びや逆上がりができないように、小説の読めない人間はいる」
「マラソンとか好きなひといるけど、こっちにしてみれば、ひたすら走って何が楽しいのか理解できないもんね。読書も同じだってことか」
「そうそう、才能ってのは、努力を苦だと思わないこと。もって生まれた才能と、日々の研鑚によって鍛えられた読解力があるからこそ、
 あたしたちは物語の愉悦を享受できるというわけだよ。」



女子高生ふたりの会話です。
この通りです。
世間は、腕立てもでんぐり返しも縄跳びもできない私を笑ったけど
読書量で負けたことはないと自負する私。
これだって、運動神経と並ぶだいじな才能なのだ!
と教えてもらいました。

イイネ、女子高生(笑)