背寒日誌

2024年10月末より再開。日々感じたこと、観たこと、聴いたもの、読んだことなどについて気ままに書いていきます。

007/ロシアより愛をこめて

2005年10月13日 10時23分18秒 | アメリカ映画
 ジェームズ・ボンドといえば、何といってもショーン・コネリーだった。007のシリーズが何作あり、また何人の俳優がボンド役を演じたかは知らないが、ボンドはショーン・コネリー以外には考えられない。その点ではほとんどの人の意見が一致すると思う。そして、シリーズ中でいちばんの傑作は、第2作「ロシアより愛をこめて」であることもまず間違いあるまい。私は007シリーズを全部見たわけではない。最初の5作はすべて映画館で見て、はっきり印象に残っている。が、あとの作品は多分テレビかビデオで何作か見たような気がするが、記憶が定かでない。ということは、大して面白くなかったのだろう。そう勝手に決めつけている。
 そして、歴代のボンド・ガールの中でピカイチの美女といえば、やはりこの映画に出演したダニエラ・ビアンキであろう。これも大方の意見が一致するかと思う。実を言うと、ボンド・ガールで私の記憶にあるのは、クローディーヌ・オージェと日本人の浜美枝と若林映子くらいなんだから、これまた勝手に決めつけているわけだ。
 「ロシアより愛をこめて」(封切り時は「危機一発」と言った)を映画館で初めて見たときの興奮は今でも覚えている。本当に見どころ満載で、最初から最後まで息もつかせずハラハラ・ドキドキしっぱなしだった。殺し屋(ロバート・ショーが冷酷で恐い!)とボンドが列車の中で格闘するシーンなど、アクションも凄いが、この映画の素晴らしさはボンドとソ連の女スパイ(ビアンキ)との絡みにあった。この女スパイが飛びぬけて美しいのだ。透明な美しさとでも言おうか。安物の色気でボンドを誘惑するのではない。誘惑しているような、していないような謎めいたところが魅力的なのだ。彼女が登場してすぐ私はコロッと参ってしまった。観客はみんなそうだったと思う。この女はどうなるんだろう?もしかして殺されてしまうのではないか?途中ですごく心配になってくるのだ。これがまた別の緊張感を高めていく。ボンド・ガールは単なる添えものが多く、だからあまり印象に残らないのだが、この女スパイだけは際立っていた。
 ショーン・コネリーは強くてたくましい。それに、決してプレイボーイ然としていないところが良かった。こんな美女に誘惑されても落ち着き払っている。そこが堪らなくクールなのだ。やはりイギリス出身の俳優だけのことはある。紳士のように女性を立てながらも、心の奥では女性にのめり込まない雰囲気が漂っている。つまり硬派なのだ。ロジャー・ムーアだとこうは行かない。
 ところで、ダニエラ・ビアンキという女優、私はずっとロシア人だとばかり思っていた。ローマ生まれのイタリア人だと分かったのは、ずっと後になってからだ。この女優、007以外はイタリア映画に何本か出演したらしいが、いつの間にか消えてしまった。もう名前も忘れられている。が、007の女スパイとして、見た者の心にずっと残る女優の一人になったことは間違いあるまい。
コメント (1)
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