Mのミステリー研究所

古今東西の面白いミステリーを紹介します。
まだ読んでいないアナタにとっておきの一冊をご紹介。

最後にホッと一息の面白さ。

2013-12-09 12:36:46 | 日記

 
雪が降り積もる寒い田舎町。さえない保険業のミッキーは妻とも上手くいかず金繰りも上手くいかずで鬱屈した日々を送っていた。

そんな折知り合った独り身の老人の家に出入りしていると、老人が持っているバイオリンが骨董的価値のあるバイオリンと知る。多少ボケ気味の老人の目をかすめバイオリンを手に入れて

大金を手に入れようとするが思わぬ方向に計画が狂いだすことになる。 バイオリンを巡って右往左往するミッキーたちの様子が笑わせられるが、かなりブラックな

笑いで滑稽さのなかに身につまされる部分もある。

知り合ったセキュリティー機器の業者の男と、老人の留守に家に入り込みバイオリンを探していると隣人の男がやって来て二人に何をしているのかと詰問する。

思い余ったセキュリティー業者の男は隣人の男を殴り殺してしまう。その場で写真を撮られたミッキーは俺たちは同罪だと脅され

彼の云うまま動かされる。
 


多少価値のあるバイオリンと知った老人。ミッキーの態度からバイオリンの存在に気付いたセキュリティー業者の男。


この後バイオリンを巡ってドタバタが続くのだが、次第にセキュリティー業者の男に追い詰められていくミッキー。何も方法が思いつかず湖から変死体のニュースが紙面にあるのを見て、せっかく手に入れた

バイオリンも証拠品になるためゴミ箱に捨ててしまう。  だが、この後のシーンに意外なドンデン返しがあって、これまでの話が「そうだったのか」とニヤリとさせられる。

なかなか良く出来た脚本で見応えのあるサスペンスでもあり、主演のグレッグ・キニアの変に生真面目的な顔と演技につい笑ってしまう。

彼の妻役にリー・トンプソンが出ている。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が懐かしいが顔立ちはそんなに変わっていない。


最後にホット一息の余韻もあり中々面白かった。 こんな映画が楽しい。


「パーフェクト・プラン完全なる犯罪計画」

監督 ジル・シュブレッヒャー
                       出演 グレッグ・キニア
                          アラン・アーキン
                          ビリー・クラダップ
                          リー・トンプソン
                       2011年 アメリカ 93分   
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登場人物「三人」の密室劇

2013-10-13 08:50:39 | 日記

 この映画の登場人物は三人です。
誘拐した男二人と誘拐された女一人。女を縛りつけ閉じ込めた部屋を舞台にストーリーは進みます。身代金として大金を奪おうとする男二人。なんとか逃げようとする女。始まりの誘拐を準備する様子もメリハリの効いた演出で見せ

一気に物語の中に入り込みます。そして、シンプルな関係の三人にも秘密があることが見えてきます。裏切り、陰謀、寝返り、と複雑に絡み合って予測不能の展開が続きます。
それぞれの思惑が交差して意外なラストになっていきます。始めから最後までピンと張った緊張感もこのスリリングなシチュエーションを盛り上げています。

アリス・クリードの失踪・・・。そう失踪なんですね。タイトルの意味はラストで明かされます。

『アリス・クリードの失踪』 2009年 イギリス 101分
監督 J・ブレイクソン
出演 ジェマ・アータートン、マーティン・コムストン、エディ・マーサン

 
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一級のサスペンスと感動のストーリー『黙秘』

2013-10-06 16:41:59 | 日記
 『黙秘』 
 母親と娘の心の葛藤を描いた内容だけれど、原作がスティーヴン・キングらしいサスペンス感たっぶりの展開でみせます。
20年前の父の死に関して容疑を受けた母。証拠不十分で起訴が見送られた過去があり、その時から距離を置き母とは離れて暮らしてきた娘。
 
冒頭の母親演じるキャシー・べイツと老婦人役のジュディ・バーフィットの二人が暮らす家。老婦人と今で言えば看護人のような世話をしながら暮らす
様子が描かれる。気心が知れた二人の生活のなかで、時には老人特有の癇癪を起こしたような言葉を投げつける老婦人。
そして、車椅子に乗った老婦人が二階から階段を落ちて死亡する事故が起きる。階段から落ち倒れている老婦人を見下ろすキャシー・べイツ演じるドロリス。
彼女が手をかけたのか?と思わせるワンショット。 駆けつけた警察の中に、20年前ドロリスの夫が死亡した事件を担当し彼女に疑惑の眼を向けた刑事がいた。
そしてニューヨークでジャーナリストとして働いていた娘セリーナ(ジェニファー・ジェイソン・リー)に匿名のFAXが届き母親が
老婦人殺しの容疑で拘留されたことを知り故郷に帰る決心をする。
序盤のストーリーですが、ここから娘が事件を調べていくうちに20年前には見えなかったものが少しずつ浮かび上がってくる展開となります。
父親の死の真相。老婦人の秘密。それらを絡ませながら冷えていた母と娘の心の交流が始まり、全てが明らかになって二人の距離が縮まっていく様子が
とても感動をよびます。ラスト・シーンでのジワッとくる感動を見逃していた方はぜひ味わって下さい。
出演者たちも名優揃いでこのストーリーを盛り上げます。

1995年 アメリカ
監督 テイラー・ハックフォード
出演 キャシー・べイツ、 ジェニファー・ジェイソン・リー、ジュディ・バーフィット、
   クリストファー・プラマー、デビット・ストラザーン
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ジーンと胸打つ感動作 「ヤコブへの手紙」

2013-09-24 08:17:49 | 日記
静かなピアノ曲をバックに、静謐な空気感のなか物語は映し出されます。

ゆったりとした気分で観ていると最後にジーンとする感動が待っています。目の色、肌の色が違っても人の心、相手を思いやる心は同じなんだと今さらながら思い知らされます。

盲目の年老いた牧師。 受刑者だった中年の孤独な女。 郵便を配達する男。

この三人が織り成す物語。 一片のパンと一杯の紅茶。 外からの光差す以外は暗く雨漏りのする部屋。

そんな家でヤコブは貴方を待っています。 疲れた心を癒してくれる小品です。

監督 クラウス・ハロ
キャスト カーリナ・ハザード、ヘイッキ・ノウシアイネン、ユッカ・ケイノネン。
2009年 フインランド 76分 
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ギレルモ・デル・トロ の 「ロスト・アイズ」

2013-09-24 07:47:47 | 日記
良く出来たサスペンス映画です。
最後までハラハラドキドキさせられます。それは主人公が失明の危機にありながら正体不明の殺人鬼に追いつめられるからです。
こう書くとストーリーは単純で、何処かで観たような内容と思ってしまうかも知れません。
しかし、脚本は練りに練ってそう単純に終わらないストーリーをみせてくれます。双子の姉妹。失明し自殺した姉サラ。
角膜移植した姉がなぜ自殺を?  不審を感じた妹フリアは調べ始めます。しかし、フリアの夫も姉と同じ地下室で首吊り死体となって
見つかったり、気付くと不振な影が身の回りに現れます。やがて、フリアも姉と同じ病気で視力が次第に失われていき暗闇に包まれていきます・・・。


意外な犯人とヘプバーンの「暗くなるまで待って」を思い起こさせる、良く出来たサスペンス映画です。
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