1892年ブラジル政府が日本人移民の受け入れを表明。1895年日伯修好通商航海条約締結。1908年正式移民開始(笠戸丸移民)
まず歴史上このような事実があります。この事実をバックに書かれた物語ですが、その内容とは移民として渡った先は地獄のようで仲間は次々と死に、日本に帰ろうともその手段もなく
すべてを投げ打ってブラジルに渡っている身であり、金銭的にもどうにもならない状況で、日本大使館までは遙かに遠く未開のジャングルからはとても辿り着けないところにあった。
かろうじて生き延びた主人公が捨て犬のような生活から身を起こし、勝手の仲間の息子たちと日本政府に復讐を企てる、そんなストーリーです。
第一章のアマゾンでの暮らしと放浪、棄民としての生活の悲惨さが圧倒的な筆力で描かれています。国家によって人生を狂わされた男達の復讐とは、あくまでも日本政府と外務省に当事の過ちを
認めさせる言質を取ることであり、誰も殺さず傷付けもしない。綿密な計画と実行。警察やマスコミとの攻防など絡ませて、ひとりのニュースキャスターとの出会いや人間同士の触れ合いなどを軸に
後半のストーリーとラストの余韻あるエピローグまで一気に読ませる作者の筆力には圧倒されます。
ミステリではないのですがエンターティメントとしてこの上ない面白さを実感する読み物です。
まず歴史上このような事実があります。この事実をバックに書かれた物語ですが、その内容とは移民として渡った先は地獄のようで仲間は次々と死に、日本に帰ろうともその手段もなく
すべてを投げ打ってブラジルに渡っている身であり、金銭的にもどうにもならない状況で、日本大使館までは遙かに遠く未開のジャングルからはとても辿り着けないところにあった。
かろうじて生き延びた主人公が捨て犬のような生活から身を起こし、勝手の仲間の息子たちと日本政府に復讐を企てる、そんなストーリーです。
第一章のアマゾンでの暮らしと放浪、棄民としての生活の悲惨さが圧倒的な筆力で描かれています。国家によって人生を狂わされた男達の復讐とは、あくまでも日本政府と外務省に当事の過ちを
認めさせる言質を取ることであり、誰も殺さず傷付けもしない。綿密な計画と実行。警察やマスコミとの攻防など絡ませて、ひとりのニュースキャスターとの出会いや人間同士の触れ合いなどを軸に
後半のストーリーとラストの余韻あるエピローグまで一気に読ませる作者の筆力には圧倒されます。
ミステリではないのですがエンターティメントとしてこの上ない面白さを実感する読み物です。