二十年前、京都に修学旅行中に班別行動していた七人。その七人が乗った市内を巡るバスから一人の女生徒が消えた。
事件?事故?様々な憶測が流れ同じ班の残り六人も世間の興味と批判の嵐に晒される。そして二十年後その六人のメンバーの一人にメールが届く。「私を覚えていますか?冬葉」。
そんなシチュエーションで物語が始まります。この辺は中々上手いなと感じます。ミステリ好きならこのシチュエーションに食指が動かないはずはありません。つまり我々のハートを掴むのがとても上手いと感じるのです。
かなり理屈っぽい文章でそれぞれ六人の人生が語られます。今でも過去の出来事を何らかの形で引きずっている六人の仲間。その交友のなかでメールがきっかけで六人それぞれに思いがけない事態が起きていきます。
なぜ女性徒は消えたのか、そして二十年後のメールはどういう意味なのか。その謎を解くには六人それぞれのこれまでの人生をもう一度見つめ直す必要があります。そしてそれぞれが持っていた記憶の断片を繋ぎ合わせることが
重要でした。でもそれ以前に六人の人間臭い日々の生活と夢や欲望や挫折があります。大きな謎を示しながら作者は書きたかったのはこの六人の人生なんでしょう。
出会いや別れが織り成す人間模様。それがこの物語の芯の部分でしょう。そして傍目にはうかがい知れない心の中。そんなエピソードを絡めて送られてきたメールの謎に迫っていく様子が達者な筆致で描かれています。
かなりの長編ですが読み応えはあります。
この作者も宮部みゆき氏のようなストーリーテラーという印象です。
事件?事故?様々な憶測が流れ同じ班の残り六人も世間の興味と批判の嵐に晒される。そして二十年後その六人のメンバーの一人にメールが届く。「私を覚えていますか?冬葉」。
そんなシチュエーションで物語が始まります。この辺は中々上手いなと感じます。ミステリ好きならこのシチュエーションに食指が動かないはずはありません。つまり我々のハートを掴むのがとても上手いと感じるのです。
かなり理屈っぽい文章でそれぞれ六人の人生が語られます。今でも過去の出来事を何らかの形で引きずっている六人の仲間。その交友のなかでメールがきっかけで六人それぞれに思いがけない事態が起きていきます。
なぜ女性徒は消えたのか、そして二十年後のメールはどういう意味なのか。その謎を解くには六人それぞれのこれまでの人生をもう一度見つめ直す必要があります。そしてそれぞれが持っていた記憶の断片を繋ぎ合わせることが
重要でした。でもそれ以前に六人の人間臭い日々の生活と夢や欲望や挫折があります。大きな謎を示しながら作者は書きたかったのはこの六人の人生なんでしょう。
出会いや別れが織り成す人間模様。それがこの物語の芯の部分でしょう。そして傍目にはうかがい知れない心の中。そんなエピソードを絡めて送られてきたメールの謎に迫っていく様子が達者な筆致で描かれています。
かなりの長編ですが読み応えはあります。
この作者も宮部みゆき氏のようなストーリーテラーという印象です。