Mのミステリー研究所

古今東西の面白いミステリーを紹介します。
まだ読んでいないアナタにとっておきの一冊をご紹介。

「監視ごっこ」アンデシュデ・ラ・モッツのミステリ

2018-01-08 10:34:09 | ミステリ小説


ミステリとして紹介しましたが、どちらかと言うとサスペンススリラーとした方が良いかもしれません。

主人公は30歳を過ぎただらしのない男です。 ある日電車の中で携帯電話を拾います。金がない主人公は見たことも無い携帯を最新の機種と思い、こういったモノを扱う業者に高く売れると考えて持ち帰ります。

どうなっているのか普通の携帯のように使うことは出来ませんがメールが届きます。ゲームに参加しますか?という文面でYESとNOのボタンがあるだけです。

しばらくは薄気味悪くもあり放っておきましたが、興味が沸きYESのボタンを押しました。それはイタズラ程度のことをする内容でしたが上手くミッションをクリアすればポイントが与えられるというものです。

主人公は与えられた課題を実行すれば良いのですが、そのためにはこまごまとした下準備が必要です。しかし、そのところはまた別の人間がいて専門に手助けしてくれるというシステムになっていました。

主人公は一つの課題を実行します。 すると彼の行動が動画として記録されネットに公開されていたことが分かります。そしてクールという評価が彼のケータイに届きます。

もちろん主人公には手助けしてくれるものや彼の動きを動画に撮っているものが誰なのか分かりません。 それはそれでその役目のメンバーがいるのだという認識です。

彼がミッションをクリアするたびにクールという評価が多く集まり称賛されることに次第に充実感を覚えます。 これまでの彼には縁のない他人からの称賛の声にゲームにのめり込んでいきます。

でも始めは他愛もないドッキリカメラのようなことをする程度でしたが、次第に難易度が上がり大げさで犯罪めいたものになっていきます。

ゲームを仕掛けてくるのはいったい誰なのか? その目的は? そして主人公はこのあとどうなっていくのか?  興味をそそられますよね。( ´艸`)

ケータイ電話というツールを使ったアリがちなシチュエーションとストーリーですが、この小説の場合中盤から違った展開になっていきページを捲る手が止まりません。

好みの問題はありますが、私個人的にはハマりました。最後のページまで楽しめたのは間違いありません。

そしてこの「監視ごっこ」には続編にあたるものが出ています。「投稿炎上」というタイトルですが、なんか苦笑を禁じ得ないタイトルですが「監視ごっこ」も「投稿炎上」も日本で付けられたタイトルです。

ちょっと部屋の本棚に並んでいるのを友人などに見られたら誤解されるかも知れませんね。( ´艸`)


                                       

               


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