古典です。たくさんのミステリを読んできた豊富な読書量を誇る人が今これを読んだとしたら
著者には失礼ですが肩透かしを食うでしょう。 それほどトリックがクラシックであると言えます。
これは別に著者の責任ではありません。時代の所為です。これと同じ手を使ったミステリは山ほどあり沢山読みました。
その本のタイトルを書くだけでこのミステリのネタバレになってしまうほどです。時は残酷ですね。当時のミステリファンはどれほどこのトリックに驚かされたことでしょう。
この本では二重殺人という言葉が使われています。探偵小説らしい言葉ですね。今では普通の殺人事件で被害者が二人いる状況と云えます。
一室で男女二名が殺害されていた。これは二重殺人だとそう表現していたのです。 時効寸前に現れた恐喝者。被害者の遺族と犯人に証拠の品を買い取れと同時に迫り金額を競らせます。
両者が金策に走り回るところは面白くブラックユーモアになっています。 この辺りはフランスミステリらしい味わいがあります。
そして、最後に真犯人の正体がわかるところは・・・・・。うーーん何度も書きますが当時は衝撃だったんでしょう。
でも、今読んでもこの作品の評価を下げることはないと思います。 キッチリと計算された書き方で最後の衝撃に至ります。これは見事と云う他ありません。
まだ読んでいない人には一読の価値はある、そう云える作品です。
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