Mのミステリー研究所

古今東西の面白いミステリーを紹介します。
まだ読んでいないアナタにとっておきの一冊をご紹介。

クリフォード・ナイト著 「ミステリ講座の殺人」

2014-05-12 07:31:07 | ミステリ小説
                        


古い作品ですが今読んでもけっこう楽しめます。日本ではあまり知られていない作家ですが本国アメリカでは当事の探偵小説がブームのころ
活躍した実力派としてその名を残しています。この本も本格的謎解きパズルのミステリです。探偵役はハントゥーン・ロジャーズという大学教授という設定です。
事件の発端からして不思議な様相で、深夜に食事を知らせるドラが鳴らされ滞在客や館の使用人などが起きだしたところ館の女主人の良きパートナーが殺されているのが
発見されます。女主人は高名なミステリ作家で自分の館でミステリ講座を開き人を集めていました。滞在客も個性豊かな面々で会話もけっこう洒落ていて群の保安官があまり
頼りにならないと見たそれぞれが知恵を出し合い事件の真相を調べ始めます。しかし、謎の発砲事件があり次の殺人が起きます。連続殺人とすれば隠されたミッシングリンクは
有るのか?動機が見えないため調べもなかなか先に進みません。そして次には女主人が失踪します。作中でまるでアガサの失踪だよというセリフがあり笑わせます。
一連の出来事には何が隠されているのか。それぞれ滞在客の行動を調べ手がかりを見つけ推理をしてハントゥーン・ロジャーズが真相に至ります。
この本の特徴は、当事流行っていた趣向でしょうが巻末に作中に散りばめられた手がかりの一覧が記載されていることです。なんと29もの手がかりがあり
何ページであるとかそ場のセリフや行動を指摘しています。ただ思うと探偵役の大学教授ハントゥーン・ロジャーズですが、あまり個性的な人物ではないところが
難点といえます。もっと読者を惹きつける魅力的な人物であれば日本でも他の作品がいろいろ出版され、もっと知られる作家となったのではないかと感じます。
しかし、この本に限って言えばなかなか楽しめるパズル小説です。クラシックなスタイルの作品ですが一読の価値はあります。
海外小説は会話が洒落ているというのがひとつの魅力ですね。

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