先日、石光 真人 氏 による「ある明治人の記録―会津人柴五郎の遺書」を読み終えました。
猪瀬直樹新東京都知事の「職員向け新年の挨拶」の中で紹介されていたので読んでみました。
「ある明治人」とは、会津藩出身の元陸軍大将柴五郎氏のこと、内容は、幕末から明治初期のころ、柴氏の幼年期から士官学校入学までの回想です。
柴氏本人の過酷な年少期の生活の記録としても重厚なものですが、明治維新期の会津藩の知られざる受難を明らかにした歴史的証言としても興味深いものがあります。そして、本書に通底するものは、柴氏の生涯を通じてその心の底に沈殿・堆積して消し得なかった祖母・母・姉妹に対する悔恨の思いでした。彼女たちは歴史の理不尽さの尊い犠牲者でした。
読後感については、また私のもうひとつのBlogでお知らせします。