渋いっ!僕らのTokyo Jazz Cruising♪~今夜も出航!~

Live cafe & bar 池袋Apple Jump(アップルジャンプ)店主の日誌

スピリチュアル・ジャズへのいざない

2008年04月04日 | ジャズ・ライブ
停泊地)吉祥寺SOMETIME(08.3/30)
メインアーティスト) 竹内 直(ts,fl)清水 絵理子(p)俵山 昌之(b)江藤 良人(ds)

まあ、特別な人を除いて、大方の人は一日のうちで音楽を聞く時間が限られていると思います。私もそうです。せいぜい就寝前の一時間程度と行ったところでしょうか。そうなると自然と手に取るCDは、心を静めてくれるような穏やかなものが多くなります。
渋めのテナーサックスや女性ボーカルのバラード、リリカルなピアノトリオやボサノバものといったところですね。それから“with Strings”ものもストライクですね。
最近は、昨年発売されたイタリア人トランペッター、ファブリッツィオ・ボッソの
『FABRIZIO BOSSO with Strings』(Blue Note)が深夜のヘビロ・アイテムとなっています。ゆったりとしたオーケストラをバックに、クールなトランペットがホギー・カーマイケルの極上のバラード「ニアネス・オブ・ユー」をスウィートに歌い上げます。これ、国内盤のタイトルは、二曲目の曲名をとって「ニュー・シネマ・パラダイス」となっています。ん~東芝さん、やっぱり、そのゾーンをつついてきましたか、という感じで避けてたんだけど、試聴するとやっぱりいいので買いました。でも「ニアネス・オブ・ユー」だけで充分、元を取りました!

日頃はこういった、まったりした感じなんだけども、時々もっと直接胸に響くようなジャズが聞きたくなる時があります。月に一、二回といったところでしょうか。そういった時に聞くのが今は、ファラオ・サンダースの『JOURNEY TO THE ONE』ですね。代表曲の
「You've Got To Have Freedam」は、クラブ系のDJ達に人気曲だそうです。ビックリしますね。ファラオの曲がクラブでかかるとは!(勿論ジャズクラブのことではありませんよ)ここらあたりは、スピリチュアル・ジャズとして結構聴かれているらしく、ファラオのアルバムも、次々に再発されていて、渋谷タワレコとかでもずっと常設してます。
ファラオは、私の苦手のフリージャズ系だとばっかり思って、ずっと敬遠してましたが、これが全然違うんですね。リリカルで、ズシっと胸に響きます。
昔デビット・サンボーンが司会する「サタデーナイトライブ」という伝説のTVショウがあって、なんと、ファラオがサンボーンと競演している映像をYoutubeで見つけました。説明するより早いのでご覧なってください。

Youtube映像「Pharoah Sanders on Nightmusic
ファラオにつられて、サンボーンのプレイがいつも以上に熱く感じるのは錯覚なのかな。

東京のライブスポットでも、このドカンと胸に響く演奏を聞くことが出来ます。
それが本日ご紹介する、竹内 直カルテットです。
竹内さんは、以前紹介したユニークなサックス・カルテット“サキソフォビア”のメンバーでもあります。そして、自身のカルテットとしては、昨年の夏の「横浜JAZZ IS」以来の観戦となります。その時の演奏は、本当に濃密な熱いライブで、昨年数十回通ったライブの中でも、ベストのひとつです。

本日のサムタイムでのライブは、スタンダードの「マイ・シャイングアワー」でスタート。そして次は、9度で跳躍して降りてくる印象的なイントロに続き、なんとも物悲しいマイナー調のメロディーのワルツ。ちょっとタイトルが聞き取れなかったので、竹内さん本人から教えていただいただきました。これは、サックスのクリフ・ジョーダンの作品で「Vienna」。“アルバムにも入っているよ”ということで早速購入。ちゃっかり皆さんのサインまで頂きました!
(画像はブックレット見開き写真。竹内さんの表情がとてもいいです。私の名前出てしまいましたね。改めまして、上海カラキマシタ“カン”トイイマス。ドウゾヨロシクネ!)

そして本日のハイライトは、なんといっても「Kokiriko」。民謡のこきりこ節をベースにドラマティックにアレンジされたジャズワルツですね。終盤は、江藤さんのドラミングをバックに、メンバー、観客一体となって

“マドのサンサもデデレコデン  ハレのさんさもデデレコデン”

とリフレインします。
なんとも言えぬ高揚感を、会場全体で共有しあいながら、劇的にエンディングへと移っていきます。極端に言えばこの演奏を聴くだけでも観に行く価値ありますよ!
他では味わうことが出来ない、スペシャルなジャズライブですね。

そしてプログラムの最後は、有名なバラード「Body & Soul」で締めくくり。
会場中のたっぷりと高揚した魂(Soul)が、スピリチュアルなパフォーマンスで浄化され、又ゆったりと体(Body)へと帰っていく、という感じかな。(シャレてる場合ではありませんね!)

いや~、久しぶりに竹内ワールドを堪能しました。そして感心したのは、こういったちょっとヘビーでストレートなジャズライブに、女性が結構来てるんですね。
(凄いイケメンが居るわけではないし・・。すいません、私から見ればみんな渋くて格好いいです!)女性がおしゃれジャズみたいなものばかりを求めてる、なんていう類型的な発想は、全く的外れなんでしょうね。

すいません。共演者について触れるスペースがなくなりました。全員最高のパフォーマンスでこのカルテットを支えています。それぞれがトッププレーヤーですので別の機会にたっぷりと紹介させていただきます。

さあ、今日はスピリチャルな世界のお話なので、いつものおちゃらけエンディングは控えます。普通に、静かに、この日誌を閉じます。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

池袋Apple Jumpホームページ

池袋Apple Jumpホームページ