夜のうちに猫が死んだ。
一昨日、連れ合いが「餌を食べなくなった。もうダメかもしれない」と言っていたが、早かった。
我が家に5年くらいいたのだろうか。
ちぎれかけた前足をぶらぶらさせていた老猫(?)を見かねて保護したのだそうだ。
その前足は手術で切断し、口の中がただれて感染症の疑いがあるということで、他の猫とは一緒にできず、ケージに入れた状態で飼い続けた。
ケージの中の1階と2階を往復するだけの運動。
腎臓が悪いようで、1日に500ミリリットル位水を飲む。水を飲んだ器は口の周りから抜けた毛でどろどろになる。
食欲は旺盛で、夜中や明け方も餌が欲しいと啼く。
不憫な奴だった。
最後くらい、ケージから出してやれなかっただろうか。
欲しがるだけ餌をやれなかっただろうか。
そもそも、ケージの外で飼ってくれる飼い主は見つけられなかったのか。
古式にのっとり(?)カップ1杯のキャットフードと一緒に段ボール箱に収まった猫の死に顔をみながら「幸せじゃなかったな」と言ったら、
連れ合いに「私を責めているの?」と言われた。
段ボール箱を自転車に積んで、例のごとく、池上の曹禅寺に運んで個別葬をお願いした。
我が家で猫を見送るのはこれで3匹目だ。
動かなくなった猫と別れる時にはいつも、後悔ばかりだ。