はい、しげのですが?

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「電気の節約」という「環境アクション」の虚妄

2021年06月13日 13時11分16秒 | Weblog

家庭での電気の消費節約をCO2消費量に換算して、電気の節約が環境アクションだ、という呼びかけをあちこちで見かける。
この呼びかけは国連広報センターのSDGsリーフレットにも掲載されている。
その意味では公的な「お墨付き」が与えられていると言える。
本当だろうか。
僕は、これはまやかしであると考える。
この考え方は、現在の電力供給の基本原理に反している。
家庭での電気消費量の削減は、電気料金の節約になるだけである。環境負荷の低減にはつながらない。


その理由は単純明快なはずだ。
現在供給されている電気は、火力であれ、水力であれ、一般に供給されている電力は、最大使用量に合わせて生産され続けているからだ。
言い換えれば、「使おうが使うまいが一定量生産され、利用しない分は捨てられている」。現在の電力とは概ねそういうものだ。

この電力の二酸化炭素消費は、最初に発電所で発電した段階で決定される。
発電された電気の利用を削減する、という行為は、二酸化炭素消費の削減に貢献することはない。
(この理屈には当然にも、例外はある。太陽光などの自家設備などで、発電所からの電気を使わず、また蓄電池などで蓄積した電力を必要分だけ使用することができる環境がある場合だ。)


こうしたことをまともに考えずに、電力の消費量を機械的に二酸化炭素の消費に置き換えた試算は、無意味だ。
発電による環境負荷を抑えるには、おおもとの発電量全体を削減するしかない。
そして一方で、逆に、
「一度作ってしまった電気は、最大限エネルギーとして活用するほうが、環境負荷が低い」とならなければならない。
したがって、これを言い換えれば、
「環境に負荷をかけて作ったエネルギーを活用せず捨てているわけだから、使わないほうが二酸化炭素の消費がより高い」、という試算にならなければならない。
こんな小学校低学年程度の知識でわかることが、なぜ顧みられず広められていくのか。
この問題提起に誤りがあれば、ぜひ指摘をいただきたいと思う。

 



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