やれこら やれこら 昨日も今日も

自分だけはと力んでみても,膝はガクガク,息ハアハア。会話は「アレ,ソレ」そして「やれこら」。鍛えるべきは皮肉とジョーク。

怪しいやつ  やれこら やれこら

2014-12-11 07:30:06 | 今日のやれこら
“声もかけずに入って行った,空き家なのにおかしい”
下のお宅なんです。
母屋と離れの間に入っていく,作業ズボンが見えたんです。
駐車場の草取りをしていて気が付きます。

下のお宅には,90歳過ぎのおばあさんが一人で暮らしていたんです。
そのおばあさんが今年5月に亡くなり,その後は空き家です。
下のお宅には,小さい頃によく遊んだ,私より一つ下の息子がいます。
その息子が,空き家になった家の様子を見に来ますが,それはたまにです。
もし息子であれば,駐車場にいる私に声をかけるはずです。
“もしかして?”
下のお宅の様子がよく見える,わが家の畑にそっと回ります。

「カツ,カツ,ゴソゴソ」
母屋と離れの間から聞こえてきます。
“やっぱりおかしい”
“怪しいやつ,何者だ!!”
一喝しようかとも思います。
“いややっぱり,止めとこう”
相手が逆上して,“おぬし,顔を見たな”になっても困ります。
しかし,怪しいと分かっていて放っておくわけにもいきません。

『空き家ですよっ!!』
思い切って,姿の見えない相手に大きな声をかけたんです。
「あっ,いやぁー」
明らかにいきなりの声かけで,びっくりした様子の返事が返ってきます。
上下作業服姿で首にネームプレートを付けた初老の男子が,姿を見せます。
「空き家は知っていますが,漏水の検査です」
『漏水の検査?』
「水を使わないのに,針が動いていれば漏水だと分かりますから」

“なんだそりゃぁー,空き家と分かっていても声ぐらい出して入れ!”
“電気の検針を見習え”
そうなんです,電気の検針の“元女子”は不審者と間違われないためでしょう。
庭に入ってくるなり,大きな声で言うんです。
「電気の検針に来ましたぁー,電気の検針でーす」
帰りにも必ず言います。
「ありがとうございましたぁー」
                     やれこら やれこら