落語が好きです。
小学生の頃から、テレビでそれが始まると興味深く観たし、大学生の頃には、ソニーファミリークラブの落語百選(だったかな?)とかいうLP10枚組(だったかな?)を取り寄せたりしましたよ。
なんつったって昭和51年、LPレコードの時代ですから。
ビンボー学生のくせして、通販ですよ、インターネットって何?って時代ですから、葉書で注文するですよ。
そんなだから、今でも、小まめにテレビ番組表をチェックしちゃあ、録画して観てるんですがね、
「やっぱ、NHKでしょ!?」って?
いや、それもなかなかですけど、TBSがいいですな。
いや、TBSはTBSでも、BSの方。
こいつが不定期に(多分)、「落語研究会」なるものを流すですよ。
これが良いですな。
で、最近観たのが桃月庵白酒。
「とうげつあんはくしゅ」と読むらしいんですな。
これが、なんと、まったく、新発見ですよ。
実にいい。
風貌といい、笑いのツボを心得てる話し方といい、安定感がある。
実は、最近の落語家さんのは、観ててこっちがしんどくなることが多い。
上手くやろうとして肩に力が入ってる。
それが伝わってくるもんだから、笑うに笑えない。
で結局、志ん朝や枝雀には敵わねえなぁ、となる。
そりゃ、彼らと比較される方はたまったもんじゃないでしょう。
でもね、やっぱり、自然に笑いたいんですよ。
何なら、ぷっと吹き出したいんですよ。
来ましたねえ、大型新人(私にとっての)が。
まあ、見事に「はっつあん、くまさん」の世界が展開される。
これ、10年ほど前に定期購読してたディアゴスティーニっつうんですか?あのDVDで初めて観た柳家喬太郎さんを思い出しましたよ。
あの「時そば」のまくらね。
立ち食いソバのトッピング、特にコロッケのくだり、今でもたまに見てニンマリしますですよ。
観てみます?
7:10辺りからがそれですわ。
柳家喬太郎 時そば - コロッケそば
それが今、彼は引く手数多(あまた)の人気落語家になりました。
やっぱ、あたしゃ、見る目があるねえ、と自画自賛するですよ。
ただ、彼は、本題に入ると、立て板に水が過ぎて笑えない。
新作落語に出てくるあねさんは妙に気持ち悪い、ときてて、結局はまくらがいい落語家さんなんですな。
その点、この白酒さんは、本題がいいですよ。
じつに可笑しみがある。
いい落語家に出会いました。
ありがたや。
で、調べてみれば、ありました、その噺。
全く同じ日のものです。
【粗忽長屋】 桃月庵白酒
ただ彼ね、噺を終えて、袖に引っ込むときに、脱いだ羽織を忘れて帰ったんですね。
あれは彼独自のスタイルなんすかね?
それとも単に粗忽なだけ?
もう一本が、これ。
本題は案の定大したことない(ごめんなさい)けど、まくらが良かった。
サンタクロースのコンプライアンスってね、なかなか洒落た切り口。
特に奥さんの「お父さんもお母さんもサンタさん信じてたんじゃない?」(4:50辺り)っていうオチ。
後からどっと可笑しみが来るですよ。
こういうのがセンスなんでしょうな。
これも、当日のそのものがありました。
見れば、平成29年12月の高座(国立劇場)とある。
桃月庵白酒のは、平成30年4月の高座(国立劇場)と。
そっか、同じ日のものじゃないんですな。
これも、ベンキョーになりました。
【尻餅】 春風亭一之輔
いい潮だからと、引っ張り出してきましたですよ、件(くだん)のレコード。
なんと、「ソニー」ではなく「NHK」でした。
でもって、10枚組ではなく、12枚組でした。
トドメは、「落語百選」じゃあなくって、「落語名人選」でしたな。
いやあ、一番粗忽なのはオイラでした・・・
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