私淑する中村天風翁の言葉を中村天風財団のメルマガより引用連載します。
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■ 中村天風 | 一日一話
元気と勇気が湧いてくる、哲人の教え366話
2021/12/18 鋼鉄を鍛えるが如く
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自己陶冶(とうや)とは
自己の人格を向上させることで、
あたかも鋼鉄を鍛えるのに等しい。
鋼鉄は鍛えれば鍛えるほど
その質を良好にする。
人間も自己を陶冶すればするほど
その人格は向上する。
自己陶冶を等閑視(とうかんし)すると
人間を向下(こうげ)せしめるような
消極的の暗示や価値のない誘惑に
われわれの精神が感応しやすくなり、
反対に自己の向上に必要な
積極的の暗示や、
または正しい自覚を促す真理に
感応しなくなる。
その結果、人生苦のみを多分に
味わうことになるのである。
中村天風
注1)陶冶… 生まれついた性質や才能を
鍛えて練り上げること
注2)等閑視…いいかげんに扱って
放っておくこと。
なおざりにすること。
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▼正しい自己陶冶は、本能心を整理する
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(以下、機関誌『志るべ』に掲載された
『研心抄』第7章現代語表記版より引用抜粋)
なぜ自己陶治が正しくなされないと、
消極的な暗示や価値のない低級な誘惑に
吾々の精神が感応し易くなるかというと、
本能心というものが
完全に整理されていないため、
その中に存在する
低級な動物的な情念や欲念が
常に心の表面に発動してきて、
その結果やたらに人を羨やんだり
または怨(うら)んだり、
あるいは嫉妬、猜疑(さいぎ)、復讐
というような低劣な感情、情念や所有欲、
自己本位な慾情がやたらと発動し、
それが直接の原因となって精神感応性を
極度に消極化してしまうためである。
ところが自己陶冶が正しくなされると、
本能心が整理されるために、
動物的欲求心や感情念の発動が著しく減少し、
これまで感じた煩悶や苦労も
また目立って減少してくるのである。
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