わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

Blue Monday

2012-12-17 | 時の話題
 昨日の選挙は、開けてみれば自民党が圧勝しましたね。今回の選挙では、少数派の新生勢力に改革の望みを託すか、民主党敗北を確実にするため多数派を支持する安全牌を選ぶか、迷いが晴れないのに惰性で投票してしまったので、自分に納得はいかないのですが、まぁ、結果的には民主党が追い出されて良かったと思ってます。オバマ大統領は早速、阿部総裁に「緊密な関係を築いていこう」と電話したそうで、やはり自民党に対しては安定感があるのかな?在米邦人である私にとって個人的に気になるばかりではなく、緊張を増す一方の中韓関係を鑑みても、日米関係は重要だと思うので、まずは良い兆しかと。首脳会議で存在感ゼロの首相は嫌。各国首脳たちに真ん中にどん!と陣取って、存在感とカリスマを示した、小泉さんや麻生さんみたいな首相がいい。

 ですが同じ昨日、日米を繋ぐ大きな架け橋の一つが落ちました。第二次世界大戦時に、過酷な任務を完遂した勇敢さと戦功で名を馳せた日系人部隊442連隊の数少ない生残り兵士であり、半世紀近くの長きに渡ってハワイ州代表として上院議員を務めてきた、ダニエル・イノウエ民主党議員が亡くなられたそうです。88歳。セネター・イノウエの名は、私が初めてアメリカに来た1980年代、日本がバブルに沸き、日米間の貿易摩擦が取り沙汰されていた頃には、激しく日本を批判して、「やなオッサンやな」と思ったものですが、近年では、同じく日系人上院議員のマイク・ホンダ氏の出した「従軍慰安婦謝罪要求決議」に、真正面から敢然と反対して、溜飲を下げてくれたのも記憶に新しい。

 80年代の対日批判も、思えば、米国の為に戦い、その結果として日系人の名誉を高めた442連隊と同様、米国上院議員として、米国民の代表として、米国の利益を貫き尊敬を集めるようになった政治家であり、その結果が、慰安婦問題においても議会の重鎮として、その発言が重視されるようになった。様々な差別を受けながらも、アメリカ人として、自分を選んでくれた々の信頼に応えようとしておられたのでしょう。「ハワイ住民および米国民の代表として誠実に務め、できる限りのことをやってきた」と語っておられた通りに。今際の一言は「アロハ」だったそうです。かつての戦友が沢山、あの世の門で出迎えてくれてるのが見えたのかなぁ…

 
 ところで下は、ご近所のお家です。このお宅は一年中、独立記念日頃には赤青白の星条旗カラー、ハロウィーンにはオレンジといった具合に異なった電飾で彩られ、目を楽しませてくれるのですが、今はクリスマスの飾りと、ユダヤ教のお祭りであるハヌカの飾りが共棲しています。公園の前の角屋なので、いくらギンギンでも周りのお宅の迷惑にはなりません。暗くなってから犬の散歩に行く度に、このお宅の前を通るのが楽しみなのです。見ず知らずのただ通りがかった人の心を温める。これも街への貢献の一つの形だと思います。




「442日系部隊 アメリカ史上最強の陸軍」は全日本人に見て欲しい映画