わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

「担当者」は英語で何といいますか?

2013-11-06 | 英語
 ビジネス文書の英語翻訳でいつも悩まされる言葉、それが「担当者」です。全米で入手できる、日本語のフリーペーパー「U.S. Frontline」の「ビジネス英語のケーススタディー」という連載コラムで、まさにその「担当者」を英語でどう伝えるかという記事が掲載されており、興味深く拝読しました。ここでの例は、project manager、project coordinator、point person、primary contactなど。なるほど、参考になりました。

 アメリカでは、「担当者」というコンセプトがないので、日本のビジネス文書では普通に出てくる「担当者」に、毎回、悩むことになります。文書の内容から、その「担当者」の役割がわかっていれば、先のように、特定のプロジェクトの管理者であるとか、調整係であるとか、訳することも出来ますが、どうも「Manager」や「Coordinator」という大層な肩書がしっくり来ない時もあります。特に担当者が数人いる場合など、「One of the staffs who are responsible for this project」みたいな感じで、管理者や調整者はなんか違う。「Point person」も無難な選択ではありますが、どうも曖昧です。私の場合、「Contact person」または、もっと短く「Contact」と訳することも多いかな。文中で出てきたならばともかく、判子押す小さいテーブルで「担当者」って出てきたら、延々と「the personnel who has responsibiity to cordinating the process」だの、「the person who handle the project in a comprehensive manner」だのってやってられないもん。翻訳料は普通、英語の単語数で支払われるんで、担当者って出てくるたびに、こうやって説明してたら、小金が稼げそうだけどwww

 日本では完全に慣習化している「担当者」に当てはまる英語がない、つまり、そういう観念がないというのは、日米のビジネス観の違いを表しているようで面白いと思います。日本では、一人が幾つかの業務を「担当」することに重視がおかれ、アメリカでは数人が加担しているプロジェクトや業務そのものの方が重視されているという感じです。実際には、日本だって、特定業務を「担当」しているのは一人だけじゃない場合がほとんどだし、アメリカでも、プロジェクトや業務を何人かが「担当」しているというか、そのプロジェクトに参与して責務を持っています。やってることは同じなんだけど、業務に関わる人間と、業務そのものへの焦点の違いでしょうか。ビジネスだけじゃなくても、人重視の日本、業務とか目的重視の欧米って感じで、文化が端的に現れているようで面白いですね。