わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

アメリカ人って… 9-11と127時間

2012-09-11 | 映画・ドラマ・本
 今年もまた、9月11日が巡って来ました。毎年、一年を経る度に、追悼行事等は下火化してきていると思います。もっとも、LAに来た最初の年から、9-11に対する温度差を感じていたのですが。実際の現場となったニューヨークやペンタゴンが、ずーっと遠いところ(ま、実際遠いけど)に感じられ、温度が低い、といいますか、やっぱ、東に住んでると、実際に被害者や、あの日その場にいた人が知合いが一人くらいはいるものですが、西海岸まで来ると、そうでもない。NY-DC-テキサス-コロラド-LAと渡り住んできた私の感覚でも、西海岸と東海岸では色々と意識や感覚レベルで違いを肌で感じますし…

 同時に、イラクから撤退し、ビン・ラディンも潰した今となっては、「俺達って攻撃されて超可哀想、こんな素敵な俺達を攻撃するなんてテロリスト許せない、テロリストぶっつぶせ、あ、ついでに石油利権頂きますんで」ムードの沈静化もあるのではないかと思います。むしろ、民主党側も共和党側も、選挙を前に、この件は蒸し返したくないといいますか。オバマの経済策失策イメージを推し進めたい共和党にとっては、国民の目を経済・景気だけに集中させたい。民主党は、子ブッシュ時代の鷹派・保守派に懐古してほしくない。今年は3大ネットワークのうち、NBCは犠牲者への黙祷を生中継せずに話題となりましたが、所詮、マスコミなんて政治の小手先道具にすぎない。

 世界大戦でも、朝鮮、ベトナム、湾岸、イラク戦争でも、自らの地が戦場となったことのないアメリカは、この襲撃によって初めて、っまたく当事者とはかけ離れた、不特定多数の一般市民が、理不尽に犠牲者となる痛みを知ったといってもいいでしょう。ま、本人達は、そういう風には捉えていないようですし、この経験から学んだことも全く無いようですが。自己愛マックスで自分が見えてないのもアメリカ人の一面かと。


 ところで、映画、「127時間」観ちゃったよ。ウィキペディア曰く「『127時間』(原題: 127 Hours)は、ダニー・ボイル監督、脚本、製作による2010年の映画作品である。登山家のアーロン・ラルストンの自伝『奇跡の6日間』(Between a Rock and a Hard Place)を原作としており、ジェームズ・フランコがラルストンを演じる。共同脚本にサイモン・ボーファイ、共同製作者にクリスチャン・コルソンなど、『スラムドッグ$ミリオネア』のスタッフが再結集している。」ですが、この「奇跡の6日間」ってのが、ユタ州の峡谷で右手を岩に挟まれて身動きが取れなくなってしまったラルストンが、自分で右腕を切断して生還するまでの実話。DVDについてた、削除された長い版のエンディングが興味深かった。映画としては、救出後の色々をバッサリ切ってしまった劇場版の方が引き締まってて良いとは思うけど、実話だけに、救出後のラルストンの情報も好奇心を満たしてくれる。

 最初に、彼のことが伝えられた救出直後にテキサスで「登山家、自分で右腕を切断して生還」の記事を読んで、ぎょえー!と思ったので、彼のことは印象に残っていました。ラルストンの出身地であり、今も彼の両親が住んでいるのはデンバー郊外なのですが、この原作が発表された時には、私もデンバー郊外に住んでいたので、地元新聞で大きく取り上げられ、デンバーであったラルストン本人のサイン会や講演の様子が逐一伝えられたので、映画は気になっていました。

 だから映画化された時には、興味半分、新聞で話を読んだだけでも卒倒しそうだったのに、映像なんて耐えられねー!って思ったたんだけど、図書館でパッケージ見たら、ちょっと借りてみっか、と。自分で手をちょん切るシーンは短かったのと、仕事しながら片目で見てただけだったから耐えられたけど。この映画。劇場で見たてら絶対、最後まで耐えられなかったと思う。この映画で一番感心したのは、6日間飲まず食わずの末、腕を知り離して自由になったラルストンが、これまた自力で歩き、峡谷を登って助けを求めたこと。なんという体力!なんという精神力!

 「生き残るには腕を切断するしか無いと決めたら、全く迷いはなかった。後悔もしていない」とおう本人談や、「アーロンなら、それくらい当然」みたいな友人や家族の談も、なんか…凄いなぁ…って… バイタリティーとか、生に対する意欲が違うように思います。しかも、これに懲りず(?)、その後も登山家として、いろいろな冒険を続けている。このアーロン・ラルストンさんがまた、いかにもアッメリカ~ン!な軽めの兄ちゃん。軽薄だけど、やるときにはやるよ。ナチュラルに、生に対して不遜で大胆不敵なアメリカ人が、アメリカ人たるものを代表してるようで…

 この映画、いじめに悩む子供たちに観てほしいな、と、ちょっと思ったのでした。

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