ときどりの鳴く 喫茶店

時や地を巡っての感想を、ひねもす庄次郎は考えつぶやく。歴史や車が好きで、古跡を尋ね、うつつを抜かす。茶店の店主は庄次郎。

紫木蓮

2016-04-15 22:17:48 | 写真と詩歌

 紫木蓮


 

  題令狐家木蘭花    令狐家(れいこけ)の木蘭花に題す   白居易
  
  膩如玉指塗朱粉,   膩(じ)は玉指の朱粉を塗るがごとく
  光似金刀剪紫霞。   光は金刀の紫霞(しか)を剪(き)るに似たり
  従此時時春夢裏,   此れより時々春夢の裏(うち)
  応添一樹女郎花。   応(まさ)に一樹の女郎花を添うべし


 

 

 前半は、遠くに見て 派手な喩え、~~
  膩(じ)は”おしろい・白粉”みたいな化粧のこな(粉)のこと。
  色が朱であるから、さしずめ”頬紅・ほうべに”と思って遠からず。
  光の筋を剪定用の金の刃物と見立て、
  ”紫霞”は林立する紫木蓮の紫に霞む様か?
 後半は、近くに見て 花を添えての春眠の夢、~
  ~ 紫木蓮を”女郎花”にしてしまう艶かしさ!
  ~・それにしても、日本は”木蓮”を”蓮”にみたて、
  中国は、”洋ラン”にみたてたのか、と感心したりして,・~~
  
  
 春さき、・・奥多摩から塩山へ抜ける道すがら、大菩薩の山を過ぎてしばらくすると、
 ”桃”の花の霞んだような地帯に突入する。
 あれは、まさに”桃霞”。
 色は違えども、”霞む色彩の世界”を思い起こしました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山吹の群生

2015-04-13 22:37:26 | 写真と詩歌

山吹の群生


○山吹の花咲く里に成りぬれば                
       ここにもいでとおもほゆるかな   ・・西行


 

こに咲く山吹は一重花です。実がなります。

実の(蓑)ない、八重山吹とは違います。

 

○ほろほろと山吹ちるか雨の音 ・・偽芭蕉

世の中は 朽ち葉の色目 愚痴の闇 ・・庄

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

桜散る

2015-04-04 05:27:40 | 写真と詩歌

桜散る

  ○ それぞれの 宴の席に 桜降る  ・・庄



良寛和尚の桜の俳句


 ○ 世の中は桜の花になりにけり
  -- 季節が来て、至るところで桜が満開 ・・平明で明瞭 穏やかでいい句です。
 ○ 山は花酒や酒やの杉ばやし
  -- ‘呑べい’良寛?。桜が咲いては‘呑み‘散っては’呑み‘・・
 ○ 同じくば花の下にて一とよ寝む
  -- 良寛は、西行の生き様に憧れていたのでしょうか。
 ○ この宮や辛夷の花に散る桜
  -- この宮を氷川神社と置き換えて・・、辛夷は、すでに数日前に散っています。
 ○ 散る桜残る桜も散る桜
  -- 良寛辞世の句。神風特攻隊の愛唱だったことを知ると、かなり切ない・・
 ○ 苞にせむ吉野の里の花がたみ
  -- 時同じくして、春の甲子園が終わった。球児たちは甲子園の土を、今も持ち帰っているのだろうか。

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小米花

2015-03-23 22:45:28 | 写真と詩歌

 小米花

 

白水の 流れた跡や 小米花    東都菊明(一茶の若年の俳号)
滝落ちて 白き飛沫や 雪柳   庄

雪柳が咲き始めました。
小さき花を集め、純白はこぼれそうです。
俗名は、小米花とも米柳とも。なるほど米に似ています。あげくには小米桜ともいいます。
枝振りは、林立するもあり、枝垂れるもありです。
雪柳は、枝垂れる方に贔屓して付けた名前なのでしょう。

散るが易く、桜より短命のことはご存じでしょうか。

最近、花の散る‘さま’を意識しています。
  ○雪やなぎ 苑をしろくし ひと死せり 山口誓子

参考:
   沈丁花、  ○庭石に 花こぼしをり 沈丁花  ・富安風生
   花蘇芳、    ○風の日や 煤ふりおとす 花蘇芳 ・滝井孝作  : 花蘇芳・・はなずおう

   ゆすらうめ、○万両に ゆすらの花の 白き散る ・正岡子規
   李花、      ○わが園の李花か 庭にちる はだれのいまだ のこりたるかも  ・大伴家持 : 李花・・すもも
   椿、     ○赤い椿 白い椿と 落ちにけり  ・河東碧梧桐
   山吹、   ○ほろほろと 山吹ちるか 滝の音 ・松尾芭蕉

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

白もくれん

2015-03-17 11:58:36 | 写真と詩歌

  白もくれん


一輪咲いて、ほかはつぼみ!の 白もくれん


もくれんの 艶やかありし白妙!

背景の常緑樹は、イチイであろうか?伽羅であろうか?伽羅であれば香木・・・

別名を‘アララギ’というが、そういえばそんな名の短歌の雑誌があったような?

  ○白もくれん 落花に歪む 池の月 ・・庄

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

残柿

2014-11-21 17:34:50 | 写真と詩歌

残柿


4

柿の木に纏わる古老の話 ・・・
 ・・「昔は嫁ぐに当たって柿の苗木は嫁入り道具。その嫁が一生を終えると、大木になったその柿の枝が切られ、火葬の薪やお骨を拾う箸(はし)にされた。 ・・・
古い農家など大きな柿の木は、そんなふうにして代々の女たちが残したもの ・・・」
さらに、「柿の木問答」というものもある.. 柿の木問答の説明は割愛。この民話に興味ある方は、各々調べよ

こんな話を、脳裏に焼き付けてから読むと、


   ○渋かろか 知らねど 柿の初ちぎり  ・・千代女
なんとまあ、艶めかしいが、その実は”ずしり”と重くて味わいがある。
  
   ○里古りて 柿の木持たぬ 家もなし  ・・芭蕉

先日訪問した郡山のある福島県は”あんぽ柿”の産地。値段は、なんと1個¥500前後。
しかし、いまだに残留放射能で出荷停止だそうだ。
そこで、一度確立したブランドを維持継続するために、県外から”蜂谷柿”を導入して作り続けているという。

かつて、全国有数の養蚕地帯であった山間農家は、生糸市場の衰退とともに疲弊化して行ったが、養蚕に代わる新しい農産物の模索は、”あんぽ柿”を見いだした。さらに模索を続け、林檎や梨やブドウや桃の果樹中心の農業経営に、活路を見いだした。

干し柿 ・・・乾した柿は、それぞれの地方で特色がある。代表的なのは、”市田柿”で乾燥で糖度を増し、表面に白い粉を吹く。”あんぽ柿”は比較的大きめで、糖度を増すが柔らかく、飴色を特徴とする。”ころ柿”は、甘さはあるが黒ずんでいる。違いが出るのは、風土の地理的条件で、寒暖の差が激しいところほど糖度が高い。色の違いは、恐らく乾燥させている期間の湿度に関係するのではないかと思われる。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山茶花と立冬

2014-11-07 18:29:25 | 写真と詩歌

11月7日 立冬 

山茶花が咲き始めていた ・・・


 


○山茶花の 朱を点してや 紅葉やぶ    ・・庄


○木枯らしに 山茶花ゆれて 冬立ちぬ ・・庄


○山茶花を 椿ときくも 草枕        ・・蒼虬


 

 

椿と見分け方・・・
①サザンカは、花びらがばらばらになって散る。ツバキの花は花ごと落ちる。
②サザンカの葉柄や若枝などには毛が生えているが、ツバキには毛が生えていない。
③サザンカの葉にはぎざぎざが目立つ。ツバキの葉にはぎざぎざがない。 

 

sasanqua

Camellia sasanqua    Camellia :  ツバキ(カメリア)属   sasanqua : サザンカ

残念ながら、日本の古来種ではなく、外来種の可能性が高い。sasanqua の”音”の宛字 ・・”山茶花”。


 

ハナミズキ銀杏紅葉黄葉 ・

 

 近くの公園で・・・


 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

色づく公園 ・・・

2014-10-22 10:26:35 | 写真と詩歌

色づく公園 ・・・

○ 初紅葉とて 薄々と ありそめし  ・・汀子

紅葉 ”だんだん” ・・・

 

稲畑汀子の初紅葉の句 ・・・                    
この「ありそめし」は、難解である。
○蝋梅の香の一歩づつありそめし   稲畑汀子
これも、稲畑汀子の句であり、汀子は「ありそめし」を多用する。
だが、「ありそめし」は巷では余り見かけないのだ。
要するに意味不明だが、汀子の俳句に登用されると、にわかに輝いてくる。
そこで、普段使っていない凡人の脳みそを、最大限活用して解釈を試みると ・・・
「あり」を「存在」とか「存在感」として、
「そめし」を「だんだん増してくる」とすると、・・・
・初紅葉 の句は、紅葉の色がだんだんと増してくる情景が ・・・ 
・蝋梅 の句は、蝋梅の香りがだんだんと増してくる情景が ・・・ 
 ・・・ 眼前に映し出されるようだ。
僕は稲畑汀子なる人を知らない。知らないが、この句は秀逸。


 

色づく 木の実

秋の公園は 小鳥たちの”食料の宝庫” ・・・”サンザシ” ・・常磐山査子か?常磐というからには、紅葉しない灌木か?

小鳥が群れているのを見かけるが、人が食べれるのか ・・?


 近いうち 安行の”紅葉園”と 11月に、飯能の”能仁寺・天覧山”に、紅葉を見に行きます。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

欄の花 ・・胡蝶蘭

2014-10-15 21:22:58 | 写真と詩歌

らんの花 ・・胡蝶らん


なんとなく ・・ラン撮影

○ 蘭の花 我に鄙吝の 心あり  ・・子規


 

 

 

 

らん の姿勢は針金で ・・・ そうだったのか!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フウセンカズラ

2014-08-22 19:32:42 | 写真と詩歌

夏のつる花  ・・風船葛 フウセンカズラ

改訂・間違いに気付き、改訂しました

 

 

つる性の一年草でフェンスなどにつるを絡ませながら、ぐんぐん伸びるフウセンカズラ(風船蔓)。
夏になる花を咲かせるが、花よりもその後にできる風船のような実がユニークなのだ ・・・

その実はホオズキのように空洞になっていて、中に3粒の種ができる筈 、

種には着生していた跡が残るのだが、その跡というのがハート型らしい。

黒い種に、白いハートの模様。なんとも、ロマンティックな花。


○恋文に 夢の種なる ハートピー   ・・庄


-----


凌霄花・ノーゼンカズラ


戀の熊蜂  ・・堀口大学


軽くさわやかな夏の朝の/

空気をうならせて素から飛んで来て/

さてはもの狂ほしい勢ひに/

男叫びわななきながら/

毒々しい凌霄(のうぜんかづら)の花の中へ


*一部にはノウゼンカツラには毒がある、と言われていますが、毒はありません。




夏の公園にて ・・



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする