飯田線 慕情 飯田線 秘境の駅
天竜川の渓谷 1
天竜川の渓谷 2
天竜川の渓谷 3
天竜川の渓谷 4
飯田線が走っている路線の車窓を眺めて、辰野から豊橋までを見ると、最初は長閑な田園風景が延々と続く。これが、天竜峡を過ぎる辺りから、車窓の風景は一変してくる。天竜川が流れる両脇は、深い渓谷を見せ始める。電車は、その渓谷にへばりつくように線路を張っている。電車は、トンネルに次ぐトンネルを潜り、川はダム湖に変わり、幾つもの水力発電のダムの脇を通過する。そして最後に、かって東洋一と言われた佐久間ダムを過ぎると、山容は丸みを帯び高度を低くする。飯田線は、佐久間ダム辺りで、赤石山系と天竜川を離れたのだ。そして、三河高原に入り、長篠辺りから平地が多くなっていく。
この天竜峡から佐久間ダムのある水窪辺りまでが、過疎地帯で限界集落を形成しているのだろう。この過疎地帯が、飯田線の秘境と言われる駅を出現させているのだ。
人が住むことを拒む地域は、秘境駅と呼ばれ郷愁を誘うらしい。
天竜峡
伊那から飯田まで周囲が開けた部分を流れてきた天竜川は天竜峡に至ってぐっと川幅が狭まり渓谷状になる。周囲に岸壁が連なり、有名な天竜船下りで知られる観光地になる。
天竜峡一帯は領家変成帯に属していて、領家帯には主に花崗岩や高温低圧型の変成岩や片麻岩などが分布している。天竜峡には主に花崗岩が露出していて、ここの花崗岩は「天竜峡花崗岩」と呼ばれ、特徴としては、鉱物に一定の配列が見られることや、捕獲岩(ゼノリス)が多いことである。
・・・ 地質学の専門家でないので詳しくは分からないが、上流は谷を削って、教科書にも載る有名な河岸段丘を生成しているのに対し、ここから下流は、この岩壁を削ることができないのだ。ここからは、顕かに地質の変化が見られるようだ。
記憶に絶対の自信はないが、天竜峡から上流部の方が、土砂崩れ・土石流の災害は多いような気がする。下流部の方は、山道に落石の情報はあるが、土砂崩れの情報は意外と少ない。
秘境駅の路線図
飯田線・秘境六駅
小和田駅
中井侍駅
為栗駅
田本駅
金野駅
千代駅
○JR飯田線・小和田駅・三県県境
○JR飯田線・中井侍駅・茶畑
○JR飯田線・為栗駅
○JR飯田線・田本駅・ホームへ急勾配
○JR飯田線・金野駅
○JR飯田線・千代駅
牛山隆信の秘境駅の五つの要素 ・・・
*秘境度 - 周囲が断崖絶壁、深い山林、荒涼とした原野にあり、人家が無い。
*雰囲気 - 駅舎、待合室、周囲の建造物などに古い歴史を感じさせる。
*列車到達難易度 - 列車の停車が極めて少なく、当該秘境駅に到達するのが困難である。
*車到達難易度 - 駅までの道が無い、次いで歩道のみ、未舗装の林道など、自動車やオートバイでの当該秘境駅訪問が困難。
・・・牛山隆信 秘境駅の写真家
駅名の読み方
天竜峡;てんりゆうきよう →
千代;ちよ →
金野;きんの →
唐笠;からかさ →
門島;かどしま →
田本;たもと →
温田;ぬくた →
為栗;してぐり →
平岡;ひらおか →
鶯巣;うぐす →
伊那小沢;いなこざわ →
中井侍;なかいさむらい →
小和田;こわだ →
大嵐;おおぞれ →
水窪;みさくぼ →
峡谷を走る飯田線の駅名です。全部正解で読めた人はいるのでしょうか?
特に、金野;為栗;鶯巣;大嵐;は正解率が低そうです。
小和田を挟んだ、長野、静岡、愛知の三県の県境は、冬場の火祭り、霜月神楽の地でもあります。古代の祭礼の原型とも言われる神への奉納の舞は、神秘的であるとともに心に響くものを持っています。
霜月神楽・遠山
ちなみに、小和田は静岡県の駅で、浜松市になります。