千曲川のうた

日本一の長河千曲川。その季節の表情を詩歌とともに。
人生は俳句と釣りさ。あ、それと愛。

ハエトリグモ

2019年09月23日 | 千曲川の動物
トウガラシにアブラムシが発生しました。遊びで栽培してるだけですが、あまり増えるようなら駆除の方法を考えなくてはなりません。
ある朝見ると、葉にハエトリグモがいました。


見えますか?


拡大。

ハエトリグモは巣を張らず、飛びついて蠅を捕まえます。昔はよく家の中にいて便所の窓なんかで蠅を追っかけていました。このごろはとんと見なかったのですが、こういう所にもいたんだ。
はたしてこのクモはアブラムシを食べているのか、俄然興味が湧きます。
しかし観察しようと近づけば瞬間移動で隠れてしまい、私の視力では確認出来ません。

この格好を見ると、飛来する虫を待ち構えているのでしょうか。


蜘蛛は夏の季語。ハエトリグモも当然その一種ですが、多くの歳時記は「蜘蛛」とは別項で「蠅虎(はえとりぐも)」の題を立てています。蜘蛛の巣を懸ける普通のクモとは生態が全く違うからでしょう。

  蠅虎鉄斎の書にはしりけり  青畝
  蠅取れぬ蠅虎と時過ぎぬ   楸邨
  帰国して蠅虎の待つわが家  汀子
  向きかへて蠅虎の鬱と跳ぶ  展宏

「蠅虎」の表記は大袈裟な感じですが、この蜘蛛のハンターぶりは古くから注目されていたようです。
平井照敏編「新歳時記」(河出文庫)は蠅虎の解説に、

蠅をとらえるすばやさが喜ばれ、昔はこれを飼いならして、蠅をとらせて喜んだという。それで虎の字が宛てられ、また座敷鷹とも言ったという。

としています。

わたしはこの歳時記を愛用しているので、「座敷鷹」という呼び方は知っていました。
しかしこの語、広辞苑にも日本国語大辞典にもなく、新旧の歳時記を見ても「新歳時記」以外には取り上げているものがありません。「座敷鷹」を季語とした例句も私の管見には入りませんでした。
それでも古句にあるかも知れないと考えて今回検索していると、思わぬサイトに行き当たりました。なんと「座敷鷹」の専門サイト。

江戸と座敷鷹

座敷鷹情報満載の驚くべき、というか呆れるべきページです。
蠅取蜘蛛ファンの方は是非!