千曲川のうた

日本一の長河千曲川。その季節の表情を詩歌とともに。
人生は俳句と釣りさ。あ、それと愛。

網掛十六夜観月殿

2019年04月17日 | 信州吟行
網掛十六夜観月殿・春


   いさよひもまだ更科の郡哉  芭蕉

ここは合併前は更級(さらしな)郡でした

小高い山の上に二間四方の萱葺きのお堂が建っています。普段はこんな風に閉ざされていますが、年に一回ここで十六夜観月俳句会が開催されます。


十六夜観月殿(坂城町網掛)

平成30年の観月俳句会は9月23日に行われました。
この俳句会の異色なところは、俳句の団体や組織でなく地区の自治会行事として実施されることです。

地区の子どもたちは全員参加 2018/09/23


お堂の中では来賓の町会議員さんも席題に挑戦 2018/09/23


2019年4月某日、観月殿に登ってみました。

動画はけっこう退屈かも。






登り切るとこんな感じです

観月殿の周辺にはたくさんの句碑が建立されています。


これが芭蕉句碑

左が正面で「桃青霊神」とあります。桃青は芭蕉の別号。文字通りの芭蕉神格化ですね。
側面に「十六夜も」の句が刻まれています。


山も春


鹿の落とし物もあって野趣豊か


柏の巨木は芽吹き始めたところ


岩を噛むこの力強さ!


観月殿より長野市方面を望む



観月殿の建物も地区住民の俳句会も、ともに重要な文化財であり、俳句史の中でもユニークな存在だと思います。

しかし人口減少などの問題はここにも大きな影響を及ぼしつつあるようです。観月殿の萱葺き屋根も傷みが深刻で、地元の方々は改修費用の捻出に苦労しておられます。





アクセス

坂城インターより車で10分
しなの鉄道「坂城」駅より徒歩40分
すぐ近くに日帰り温泉施設「さかき湯さん館」があります


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