横浜の印刷会社シュービの村田です。
FSCの維持審査は、結構手間がかかるのです。審査する会社も少なくてFSC側もマニュアル内容を変えてくるので、審査員と意見が食い違う事も多々有りますが、とても有意義な審査になっています。当社に来る審査会社の様に細部まで見てくれれば、以前ISOの認証を受けていた北海道の食品会社で起こった食品偽装なような事は起こりにくいと思います。
印刷会社は仕事をすればするほど森林を伐採してしまうので、環境破壊と言われることが心苦しかったのですが、植林とのセットで森林を守りながら仕事が出来れば「紙」というステキな素材と永く一緒に居られるので、FSCの方に感謝しています。
そして、最近テレビで特集が組まれているSDGs(持続可能な開発目標)にFSC認証紙が貢献しています。東京オリンピックで使われた建材もFSCの木材が使われていたりして、近年はFSC認証紙をご指定の印刷物がとても増えています。
FSCはSDGsの目標のうち14分野の目標に貢献しています。
特に目標15の「陸の豊かさも守ろう」に貢献していると言われています。
15.陸の豊かさも守ろう
を少し詳しく読むと
陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する
と、なっています。
森林は適度な間伐をしないと森全体が駄目になると言われています。人間が計画的に森林を管理する事で持続可能な利用が出来ると言うことです。
再生紙の方が環境に良いのでは?と思うことも有りますが、紙を再生するときに大量のCO2が出ますし、再生紙は古紙パルプ゚ばかリでは印刷に耐える再生紙にすることが難しく、また現在は古紙を集める事が出来ずに品不足になっています。
グリーン購入法の調達基準では再生紙を使うことが実質的な条件になっていますが、入手が困難な場合は再生紙ではなく代替品(もちろん出来るだけ環境に配慮したもの)でも構わないと、
環 境 省 大臣官房環境経済課から通達が出ています。
この通達に基づいて、普通の紙を使うことが出来ますが、FSC紙を使うことにより環境に優しい印刷物になるのではないでしょうか。
環境省に電話して「FSC紙もグリーン購入法の指定にしてください」と個人的に言ってみたのですが(笑)、「考えています」と言われて終わりました。行政の方は変化をさせる事が難しいのでしょうね。
FSCとは
FSC®(Forest Stewardship Council®:森林管理協議会)は、責任ある森林管理を世界に普及させることを目的に設立された国際的な非営利団体です。自然資源の持続可能な利用に取り組むWWFは、FSCの設立当初よりその普及に力を入れています。環境保全の点から見て適切で、社会的な利益に適い、経済も継続可能な、責任ある管理をされた森林や、林産物の責任ある調達に対して与えられるFSC。消費者は、このFSCのマークが入った製品を買うことで世界の森林保全を応援できる仕組みです。
<FSCのHPより>