2006年2月15日に浅香青少年会館で話してきたレジメです。
少し長いですが、御興味を持たれた方がいらっしゃいましたのでUPします。
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「使い捨てを捨てよう!」講座
第3回~お買い物編(2)おいしい野菜から環境保全を知る~
<プロローグ>
有機野菜のフリーズドライみそ汁の試飲
このひとつの「商品」からどれだけの事が連想出来るだろうか?
1.有機のマークが付いてるから安全そう?→有機認証については後で説明
2.国産の有機原料使用と書いてある、さらに安心?→アジア産の有機野菜が不安との報道も
3.袋を破って、器に入れて、お湯を注ぐだけ。残業で遅くなった時にいいかも。
→今日は触れないが、就寝前4時間は食事をしないことが生活習慣病の予防につながる
4.袋のウラを見てみると、
a.PE、PET、PPの表示が・・これ全部石油加工品。→有機の製品に石油を使っていいの?
b.パッケージが再利用出来ない。→有機の製品が使い捨てでいいの?
c.枠内の表示:化学調味料や保存料、着色料は使ってなさそう。
みんなで考えてみましょう!
<第1部>基礎的な知識として
有機野菜とは:
1.概念的には、有機的に生産された野菜の理想型
有機野菜と言うよりは、有機農業全般をさす思想の具体物
このままでは、ちょっとわかりにくいですが、最後にもういちど触れます
2.法的には、表示法に定められた要件を満たした商品としての野菜
有機JASの表示が認められるものには、農産物と農産加工品がある。
一般的に肉や魚や卵はこれに含まれない。
無農薬野菜とは:
1.概念的には、化学的に作られた農薬を使わないで育てられた野菜。
2.法的には、行政指導というかたちで、この言葉の商品への表示は事実上禁止されている。
代わりに、特別栽培とか、契約栽培ということばが使用され始めている。
低農薬、減農薬の野菜とは:
例えば、慣行農法では10回散布しているところを、5回以下に減らす(半減以下)と「減農薬」
という説明をしているケースがあるが、「別々に散布」すれば2回のところ、「混合液にして一度に散布」すれば、
1回とカウントする、というようなこともあって、内容が曖昧な場合が多い
→僕のお店では、開店以来、「低農薬、減農薬」の野菜は販売したことがありません(他にも理由はありますが)
有機栽培の認証制度について:
そもそもは、安全な農産物を求める(主にヨーロッパの)消費者が中心となって、
自主基準を定め、第3者的な認証団体を発足させていった運動。
ヨーロッパの団体は、シュタイナー教育を通してひろがったものが多く、
生産者よりも消費者寄りで、一般的に基準も厳しい。
アフリカ、アジアの基準は、主に生産者サイドから作られており、
一般的に基準がゆるい。南北アメリカの基準もこちら寄りに近い。
日本は、外圧に押される形で、政府が音頭をとって、
法律が先に制定された。形としては、JONAという団体が取りまとめている。
国際的にはIFORMという団体が、これらの認証団体をまとめていて、
認証基準の地域格差の是正などにも取り組んでいる。
最近では、「遺伝子組換え農産物」を認めるかどうかということで議論となり、
日本を含むヨーロッパの強い反発を受け、棚上げにされた。
具体的な基準の内容:
・「いつ」「誰が」「どの畑で」「どの作物を」「どんな資材を使って」育てたか、
ということがわかるような「栽培記録」が求められる。
・「どの畑で」には、となりの慣行栽培の畑と何メートル離れていなければならないとか
水源の独立性が確保されているか、などが求められる。
・「どんな資材を使って」では、使って良い物が予め定められていて、
化学的に合成された物は使用出来ない。
・上記の要件を満たした上で、公認された検査官が定期的に実地検査を行う仕組みになっている
<第2部>なぜ、有機野菜がいいのか?
「有機野菜がいい」というよりは、それ以外のものに問題がありすぎる
1.例えば、「促成栽培の小松菜」
見た目は小松菜だが、細くて柔らかいし見た目も白っぽいそして「安い」
・温室で湿度と気温をコントロールするので、種まきの日に収穫日がわかる→年中無休で収穫出来る
・植物は三大肥料のうち「窒素」を多く与えると「葉っぱ」が速く成長する→速く「商品」になる
・窒素を多く与えすぎると「窒素過多」となる→化学反応が起こり「硝酸性窒素」が生成される
・「硝酸性窒素」は光合成で無毒化されるが、その前に出荷される→腎臓に負担がかかり透析患者が増える
☆☆☆問題なのはこの小松菜が使われているのが「学校」や「病院」そして「老人施設」であるということ☆☆☆
2.例えば、「JASの醤油」←有機JASではなく日本農林規格の意味
見た目は醤油だが、実際は塩水に黒い色を付けて、旨味調味料と醸造用アルコールで味付けしたものに近い
・最近でこそ「丸大豆」とわざわざ書かれた醤油を選ぶことも出来るが、10年前はそれすらなかった
・JASの醤油には速醸法が認められている→1年未満で製品が出来るがこれは本来の醤油とは違うもの
・本来の醤油は、「二冬」を越えて熟成させたもの→夏に活発な酵母、冬に活発な酵母がそれぞれ時間をかけて熟成
その間に脂肪分も分解されるが、速醸法の場合は「大豆油」が残ってしまう。
☆☆☆戦後の混乱期に最低限のルールとして作られた法律の最下限で作り続けられている☆☆☆
3.例えば、「卵」
見た目はどの卵も(大きさや色を除けば)全部同じに見える
・「パック100円の卵」、「1個50円の平飼い卵」「1個500円の烏骨鶏の卵」の違い
・国内で孵化させているか、雛を輸入しているか
・1日は24時間か
・運動はさせているか
・ストレスはないか→豚も同じか近い状況にある
☆☆☆飽食の時代と言われているが見た目で判断出来ない消費者は不幸であるとも言える☆☆☆
4.例えば、「化学物質過敏症」
ほんの少しの(法律で使用が認められているよりはるかに少ない)量の化学物質に触れただけで
「嘔吐」「めまい」「呼吸不全」「アレルギー反応」などが発症し日常生活に支障をきたす病気
・人によって「個人差」があるが、生まれてから現在に至るまでの間の衣食住生活を通して、
身体が許容出来る(吸収→分解→解毒→排出)量を超える化学物質を、体内に取り入れてしまった。
・「個人差」を理由にうやむやにされてきたが、最近では、花粉症も化学物質過敏症の発症例のひとつとして
考えられている
・衣:化学繊維の発達、特に女性の下着や生理用品による障害が増えてきている
・食:加工食品、外食、などの利用度の高まりにより、特に子供の腎機能障害などが増えてきている
・住:コンクリート製の集合住宅などに使用されている新建材の揮発性物質による障害が増えてきている
☆☆☆薬では治療出来ない(薬自体が化学物質)ので、食べたことのないもの「ナマズ」や「カンガルー」、
「ひえ」や「あわ」を食べ、自然の中に立てられたログハウスのような建物で生活している☆☆☆
5.例えば「環境汚染」
ほんの少し、と、言い訳をして使い続けられてきた化学物質、3ちゃん農業の切り札として定着した除草剤、
知らず知らずのうちに土壌に染み込み、微生物を殺し土が硬化して収量は低下し、
雨に流され川を経て海に広がっている。
☆☆☆「マグロからダイオキシン」「農業株式会社」☆☆☆
「有機栽培農家」が面倒くさい有機野菜をつくる理由:
1.有機JASの認証マークを付けることで付加価値が生まれる
2.でも、マークを付けていない人もいる
・有機栽培は土地を豊かにしていくという信念
土の中に微生物やミミズ、畑の中にクモなどの益虫が生きているということで、
植物の生育に必要な土壌が再生され、害虫からの被害を最小限にくいとめる、という、
昔から繰り返し利用されてきた方法を取り戻そうとしている人たちの取り組み
片木さんのお茶:最初は変人扱いされたが、不作の年に、この茶園だけ収穫が落ちなかった
マカイバリの紅茶:ダージリン地方の生産高が減少する中、品質、収穫量を保っている
・農薬による人体被害を避ける
青森のりんご農家:代々りんごを生産、農協に出荷してきた
数十年前から、周辺のりんご農家に、手足のシビレを訴える人が出てきた
中には、話すことも出来なくなり、徘徊するようになって、家から出られなくなってしまった人もいる
みかんもそうだが、果樹は顔より上に向かって農薬を散布するので、呼吸器系に影響を受けやすい
農協に出荷して生計を立ているので表立って主張することが出来ない
まだまだ多いとは言えないけれども、一部の農家の人たちは、体験的に、化学的な農薬や肥料が
土地をダメにしていくだけでなく、人間の身体にも悪い影響を及ぼしているということに気付いている
そして、回遊魚からはあり得ないと言われ続けてきたマグロからダイオキシンが検出されるという具体的なデータから
問題が、かなり深刻なところにまで来てしまっているということが想像できてしまう
<第3部>こたえはひとつとは言えないのだけれど、
駆け足で現状について考えてきたが、モノに不自由しない豊かな世界を目指し達成されたはずの先進国に生まれ、
欲しいモノがある程度は手に入る生活の中で、目で見たものを直感的に判断出来ないという、奇妙な現象が起こっている
目で見た姿は、「小松菜」でも「硝酸性窒素」で満たされた危険なモノ
便利そうに見える加工食品でもウラを見れば、こんなにたくさん食べていいのと思わせるほどの添加物
そして、破かれた包装は、再び使われることなくゴミとなってしまう
これらのことはすべて「自分にとって良ければ」、という、人間の小さな「エゴ」の積み重ねとは、考えられないだろうか?
・今捨てた加工食品のパッケージがこれからどうなるのか考えてみよう
・私たちの次の世代、子供たちが大人になった時のことを想像してみよう
・便利だからと使っている除草剤が川に流れ海に広がってしまうとどうなるのだろう
人間以外の生き物のことも、そして、地球のことももっと考えてみよう
小売り店の取り組み:
1.デポジット制の導入=なんぼ中身は良くても使い捨ての容器では・・・。
卵パックの循環利用に取り組み
農家→小売店→消費者→小売店→農家(ほぼ100%が利用)
2.買い物袋持ち込み特典=マイバッグポイントの加算(商品と引き替え)
お弁当のお箸も対象に(約50%が利用)
3.お弁当箱の繰り返し利用(現在は休止中)
4.野菜の量り売り=平積みの野菜を一個から量り売り
パッケージ包装→新聞などに包んで渡す(ほぼ100%が利用)
余り野菜を腐らせることも少なくなる
5.化粧品の包装の拒否&返送=過剰な包装を見なおすきっかけに
消費者が購入後、必要でない「外箱」などを置いていってもらいメーカーにまとめて送る
最初から不要な包装を外して出荷してもらう
6.生産者とのつながり=出来るだけ現地を訪ねて話しを聞く
「モノ」だけでなく「ココロ」を伝えるために
ひとつひとつのこと自体は大した力にならないかもしれないが、これを続けていくことで、
より多くの人に、こういう問題があるのだということに気付いてほしいから
【まとめ】あなたにもできること
・味の違いを感じよう→有機野菜はやっぱりおいしい
・見た目だけでなく中身で選ぶ→価格だけでモノを選ばない
・(商品の)表ではなく裏(「表示」)を見て選ぶ
・(遺伝子組み換え食品を拒絶した時のように)要らないものは買わない
・ちゃんと説明してくれる店で買う
・他にどんなモノを売ってるかも参考にする
・わからないことは聞いてみよう
少し長いですが、御興味を持たれた方がいらっしゃいましたのでUPします。
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「使い捨てを捨てよう!」講座
第3回~お買い物編(2)おいしい野菜から環境保全を知る~
<プロローグ>
有機野菜のフリーズドライみそ汁の試飲
このひとつの「商品」からどれだけの事が連想出来るだろうか?
1.有機のマークが付いてるから安全そう?→有機認証については後で説明
2.国産の有機原料使用と書いてある、さらに安心?→アジア産の有機野菜が不安との報道も
3.袋を破って、器に入れて、お湯を注ぐだけ。残業で遅くなった時にいいかも。
→今日は触れないが、就寝前4時間は食事をしないことが生活習慣病の予防につながる
4.袋のウラを見てみると、
a.PE、PET、PPの表示が・・これ全部石油加工品。→有機の製品に石油を使っていいの?
b.パッケージが再利用出来ない。→有機の製品が使い捨てでいいの?
c.枠内の表示:化学調味料や保存料、着色料は使ってなさそう。
みんなで考えてみましょう!
<第1部>基礎的な知識として
有機野菜とは:
1.概念的には、有機的に生産された野菜の理想型
有機野菜と言うよりは、有機農業全般をさす思想の具体物
このままでは、ちょっとわかりにくいですが、最後にもういちど触れます
2.法的には、表示法に定められた要件を満たした商品としての野菜
有機JASの表示が認められるものには、農産物と農産加工品がある。
一般的に肉や魚や卵はこれに含まれない。
無農薬野菜とは:
1.概念的には、化学的に作られた農薬を使わないで育てられた野菜。
2.法的には、行政指導というかたちで、この言葉の商品への表示は事実上禁止されている。
代わりに、特別栽培とか、契約栽培ということばが使用され始めている。
低農薬、減農薬の野菜とは:
例えば、慣行農法では10回散布しているところを、5回以下に減らす(半減以下)と「減農薬」
という説明をしているケースがあるが、「別々に散布」すれば2回のところ、「混合液にして一度に散布」すれば、
1回とカウントする、というようなこともあって、内容が曖昧な場合が多い
→僕のお店では、開店以来、「低農薬、減農薬」の野菜は販売したことがありません(他にも理由はありますが)
有機栽培の認証制度について:
そもそもは、安全な農産物を求める(主にヨーロッパの)消費者が中心となって、
自主基準を定め、第3者的な認証団体を発足させていった運動。
ヨーロッパの団体は、シュタイナー教育を通してひろがったものが多く、
生産者よりも消費者寄りで、一般的に基準も厳しい。
アフリカ、アジアの基準は、主に生産者サイドから作られており、
一般的に基準がゆるい。南北アメリカの基準もこちら寄りに近い。
日本は、外圧に押される形で、政府が音頭をとって、
法律が先に制定された。形としては、JONAという団体が取りまとめている。
国際的にはIFORMという団体が、これらの認証団体をまとめていて、
認証基準の地域格差の是正などにも取り組んでいる。
最近では、「遺伝子組換え農産物」を認めるかどうかということで議論となり、
日本を含むヨーロッパの強い反発を受け、棚上げにされた。
具体的な基準の内容:
・「いつ」「誰が」「どの畑で」「どの作物を」「どんな資材を使って」育てたか、
ということがわかるような「栽培記録」が求められる。
・「どの畑で」には、となりの慣行栽培の畑と何メートル離れていなければならないとか
水源の独立性が確保されているか、などが求められる。
・「どんな資材を使って」では、使って良い物が予め定められていて、
化学的に合成された物は使用出来ない。
・上記の要件を満たした上で、公認された検査官が定期的に実地検査を行う仕組みになっている
<第2部>なぜ、有機野菜がいいのか?
「有機野菜がいい」というよりは、それ以外のものに問題がありすぎる
1.例えば、「促成栽培の小松菜」
見た目は小松菜だが、細くて柔らかいし見た目も白っぽいそして「安い」
・温室で湿度と気温をコントロールするので、種まきの日に収穫日がわかる→年中無休で収穫出来る
・植物は三大肥料のうち「窒素」を多く与えると「葉っぱ」が速く成長する→速く「商品」になる
・窒素を多く与えすぎると「窒素過多」となる→化学反応が起こり「硝酸性窒素」が生成される
・「硝酸性窒素」は光合成で無毒化されるが、その前に出荷される→腎臓に負担がかかり透析患者が増える
☆☆☆問題なのはこの小松菜が使われているのが「学校」や「病院」そして「老人施設」であるということ☆☆☆
2.例えば、「JASの醤油」←有機JASではなく日本農林規格の意味
見た目は醤油だが、実際は塩水に黒い色を付けて、旨味調味料と醸造用アルコールで味付けしたものに近い
・最近でこそ「丸大豆」とわざわざ書かれた醤油を選ぶことも出来るが、10年前はそれすらなかった
・JASの醤油には速醸法が認められている→1年未満で製品が出来るがこれは本来の醤油とは違うもの
・本来の醤油は、「二冬」を越えて熟成させたもの→夏に活発な酵母、冬に活発な酵母がそれぞれ時間をかけて熟成
その間に脂肪分も分解されるが、速醸法の場合は「大豆油」が残ってしまう。
☆☆☆戦後の混乱期に最低限のルールとして作られた法律の最下限で作り続けられている☆☆☆
3.例えば、「卵」
見た目はどの卵も(大きさや色を除けば)全部同じに見える
・「パック100円の卵」、「1個50円の平飼い卵」「1個500円の烏骨鶏の卵」の違い
・国内で孵化させているか、雛を輸入しているか
・1日は24時間か
・運動はさせているか
・ストレスはないか→豚も同じか近い状況にある
☆☆☆飽食の時代と言われているが見た目で判断出来ない消費者は不幸であるとも言える☆☆☆
4.例えば、「化学物質過敏症」
ほんの少しの(法律で使用が認められているよりはるかに少ない)量の化学物質に触れただけで
「嘔吐」「めまい」「呼吸不全」「アレルギー反応」などが発症し日常生活に支障をきたす病気
・人によって「個人差」があるが、生まれてから現在に至るまでの間の衣食住生活を通して、
身体が許容出来る(吸収→分解→解毒→排出)量を超える化学物質を、体内に取り入れてしまった。
・「個人差」を理由にうやむやにされてきたが、最近では、花粉症も化学物質過敏症の発症例のひとつとして
考えられている
・衣:化学繊維の発達、特に女性の下着や生理用品による障害が増えてきている
・食:加工食品、外食、などの利用度の高まりにより、特に子供の腎機能障害などが増えてきている
・住:コンクリート製の集合住宅などに使用されている新建材の揮発性物質による障害が増えてきている
☆☆☆薬では治療出来ない(薬自体が化学物質)ので、食べたことのないもの「ナマズ」や「カンガルー」、
「ひえ」や「あわ」を食べ、自然の中に立てられたログハウスのような建物で生活している☆☆☆
5.例えば「環境汚染」
ほんの少し、と、言い訳をして使い続けられてきた化学物質、3ちゃん農業の切り札として定着した除草剤、
知らず知らずのうちに土壌に染み込み、微生物を殺し土が硬化して収量は低下し、
雨に流され川を経て海に広がっている。
☆☆☆「マグロからダイオキシン」「農業株式会社」☆☆☆
「有機栽培農家」が面倒くさい有機野菜をつくる理由:
1.有機JASの認証マークを付けることで付加価値が生まれる
2.でも、マークを付けていない人もいる
・有機栽培は土地を豊かにしていくという信念
土の中に微生物やミミズ、畑の中にクモなどの益虫が生きているということで、
植物の生育に必要な土壌が再生され、害虫からの被害を最小限にくいとめる、という、
昔から繰り返し利用されてきた方法を取り戻そうとしている人たちの取り組み
片木さんのお茶:最初は変人扱いされたが、不作の年に、この茶園だけ収穫が落ちなかった
マカイバリの紅茶:ダージリン地方の生産高が減少する中、品質、収穫量を保っている
・農薬による人体被害を避ける
青森のりんご農家:代々りんごを生産、農協に出荷してきた
数十年前から、周辺のりんご農家に、手足のシビレを訴える人が出てきた
中には、話すことも出来なくなり、徘徊するようになって、家から出られなくなってしまった人もいる
みかんもそうだが、果樹は顔より上に向かって農薬を散布するので、呼吸器系に影響を受けやすい
農協に出荷して生計を立ているので表立って主張することが出来ない
まだまだ多いとは言えないけれども、一部の農家の人たちは、体験的に、化学的な農薬や肥料が
土地をダメにしていくだけでなく、人間の身体にも悪い影響を及ぼしているということに気付いている
そして、回遊魚からはあり得ないと言われ続けてきたマグロからダイオキシンが検出されるという具体的なデータから
問題が、かなり深刻なところにまで来てしまっているということが想像できてしまう
<第3部>こたえはひとつとは言えないのだけれど、
駆け足で現状について考えてきたが、モノに不自由しない豊かな世界を目指し達成されたはずの先進国に生まれ、
欲しいモノがある程度は手に入る生活の中で、目で見たものを直感的に判断出来ないという、奇妙な現象が起こっている
目で見た姿は、「小松菜」でも「硝酸性窒素」で満たされた危険なモノ
便利そうに見える加工食品でもウラを見れば、こんなにたくさん食べていいのと思わせるほどの添加物
そして、破かれた包装は、再び使われることなくゴミとなってしまう
これらのことはすべて「自分にとって良ければ」、という、人間の小さな「エゴ」の積み重ねとは、考えられないだろうか?
・今捨てた加工食品のパッケージがこれからどうなるのか考えてみよう
・私たちの次の世代、子供たちが大人になった時のことを想像してみよう
・便利だからと使っている除草剤が川に流れ海に広がってしまうとどうなるのだろう
人間以外の生き物のことも、そして、地球のことももっと考えてみよう
小売り店の取り組み:
1.デポジット制の導入=なんぼ中身は良くても使い捨ての容器では・・・。
卵パックの循環利用に取り組み
農家→小売店→消費者→小売店→農家(ほぼ100%が利用)
2.買い物袋持ち込み特典=マイバッグポイントの加算(商品と引き替え)
お弁当のお箸も対象に(約50%が利用)
3.お弁当箱の繰り返し利用(現在は休止中)
4.野菜の量り売り=平積みの野菜を一個から量り売り
パッケージ包装→新聞などに包んで渡す(ほぼ100%が利用)
余り野菜を腐らせることも少なくなる
5.化粧品の包装の拒否&返送=過剰な包装を見なおすきっかけに
消費者が購入後、必要でない「外箱」などを置いていってもらいメーカーにまとめて送る
最初から不要な包装を外して出荷してもらう
6.生産者とのつながり=出来るだけ現地を訪ねて話しを聞く
「モノ」だけでなく「ココロ」を伝えるために
ひとつひとつのこと自体は大した力にならないかもしれないが、これを続けていくことで、
より多くの人に、こういう問題があるのだということに気付いてほしいから
【まとめ】あなたにもできること
・味の違いを感じよう→有機野菜はやっぱりおいしい
・見た目だけでなく中身で選ぶ→価格だけでモノを選ばない
・(商品の)表ではなく裏(「表示」)を見て選ぶ
・(遺伝子組み換え食品を拒絶した時のように)要らないものは買わない
・ちゃんと説明してくれる店で買う
・他にどんなモノを売ってるかも参考にする
・わからないことは聞いてみよう