市ヶ谷日記

喜寿を超えた老人です。日々感じたことを、過去のことも含めて、書き記しておこうと思います。

共産党の「希望は自民の補完勢力である」は正しい。そして、小池「希望の党」は政治の流れを大きく変える。

2017-10-09 | 独吟

 2017年の衆院選における各党の公約が出そろい、各党から出馬する候補者がほぼ確定して、第48回衆議院議員選挙が本格化した。

 筆者の予想は、前のブログにも書いていたように、自民、公明、共産、維新および諸派はおおむね現状維持である。したがって、衆議院の総議席465(今回の衆院選から定数削減により10減)から前記5会派の議席を差し引いた約100の議席を巡って、希望、立憲民主、そして無所属が争うことになる。無所属からの立候補者は、民進党所属の前議員が多いので、今回の衆院選挙は民進党内のコップの中の争いでもある。

 さて、10月6日に公表された希望の党の公約を眺めてみると、憲法改正と安保法制については、自民党の目指す方向とほぼ一致している。自民党との違いは、消費税率引上げの時期と原発ゼロにかかわる問題である。ただ、この程度の違いは、かつて衆院選が中選挙区制の下で行われた時代には、自民党内の派閥間でもしばしば見られたことであり、かつ、安倍首相の進める施策の核心的部分にも抵触していない。

 さらに、① 小池氏は衆院選に立候補していない(東京比例に出馬するという説もあるが)、② 小池氏は、安倍政権を批判しているが、安倍首相に対する言及は避けており、かたや安倍首相も、希望の党を批判しているが、小池氏個人にまつわるコメントはしていない。③ 公明の山口代表は、自民との協調関係が強固であることを不自然なほど強調している。

 明らかに、希望の党は、共産党が最初から指摘しているように、自民党の補完勢力である。一方、希望の党と袂を分かつ立憲民主党は、小池「希望の党」から排除された人々の集まりであるが、共産党との違いを出すのが難しく、必然的にその従属政党にならざるを得ない。

 また、ここ数日の動きとしてメディアによる小池叩きが激化している。都議会議員選挙以来の小池ブームが沈静化するとともに、希望の党から離れたり、改めて立憲民主党に加わったりする人たちが現れた。これは小池党首の「政策協定書」の中に外国人参政権の条項が盛り込まれていることが明らかになって以降、急に出て来た現象である。

 以上、総合的に勘案すると、衆議院における与野党の勢力図は、自民、公明のみを与党とした場合、現在と変わらないが、保守対革新の勢力図には大激変が起きる、ということを示唆している。より具体的に表現すれば、「日本の伝統を重んじ日本人の利益を優先する派」が躍進し、「社会主義革命を夢見てその桎梏から抜け出せないリベラル守旧の派」が衰退することが予想される。これらは、英国のブレグジット派の勝利、ドイツの右派「ドイツのための選択肢」やフランスの「ルペン国民戦線」の台頭、アメリカ・ファーストを掲げたトランプ大統領の勝利などにも通じる流れである。日本の政治にこのような潮流の変化をもたらすことになる主役は、小池都知事、そして消極的な意味において前原民主党代表である。この二人は、良い意味においても、悪い意味においても、日本の政治を大改革した政治家として日本政治史を飾ることになるであろう。明日公示され、10月22日に判明する選挙の結果に注目したい。