第19回中国共産党大会が開幕した。5年ごとに開かれるこの大会で今後5年間の国家の基本方針が定められる。
注目は、中国がこれからどのような経済社会を目指すかである。
習近平総書記は、冒頭の演説で「総合的な国力と国際的影響力において世界の先頭に立つ国家」になると宣言した。経済では、公正な競争の実現、「一路一帯」構想による国際協力の推進、外資に対する中国市場の開放などを具体の施策として掲げている。
この5年間における中国経済の発展は眼を見張るものがあった。このままの勢いで進めば、習総書記が言うように、中国が世界の経済大国に列することは間違いない。
中国は、欧米や日本と比較し、経済発展に適した統治を行っている。それだけ経済の発展スピードが速いと言える。
中国人は、お金を稼ぎ、豊かな生活を送ることを人生の目的にしている。お金持ちが金持ちらしく贅沢に暮らすことを逡巡したり、蔑んだりする文化はない。これは、中国人が欧米人に近い性向を有していることを示す。
また、中国人民が良いと考える政府は、こういった人民の夢や希望を妨げない政府である。換言すれば、人民が働いて得た成果を税金などとして横取りしない政府である。
中国では鄧小平以降、共産主義に反しない限り、人民は自由に働き、働いて得た所得を自由に使うことが許されている。人民は自分の生活を豊かにするために一生懸命働き、人民が一生懸命働けば、国全体のGDPも増加する。
この点、我が国とのコントラストは著しい。日本人は、国に社会福祉の充実を要求するが、これは重い税負担を伴う。高福祉高負担は、二つの意味で経済発展を阻害する。高い税負担は国民の勤労意欲を削ぐ。また、働かなくても国が高い生活水準を保証しているので、国民は勤勉である必要がなくなる。
最近では、どの政党も「格差をなくす」ことを公約に掲げている。しかし、国民は格差を求めて、勉強をし、良い会社に就職し、出世しようとして頑張るのである。こうした頑張りが経済発展に寄与し、結果として高い生活水準を生み出す。
衆議院議員選挙が10月22日に迫っている。国民は以上ようなこともよく考えて、投票を行うべきである。