読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

幸田真音著「日銀券」

2008-10-04 | 幸田真音
日銀の政策委員・中井昭夫はアフリカ旅行中に美貌の女性と
出会い一夜を過すが、2ヶ月後再会した時はなんと彼女・芦川笙子は
新任してきた日銀副総裁だった。
ドル・ユーロの間で衰弱する円。
果てしなく続くゼロ金利政策。
アメリカ依存の日本に冷水を浴びせる痛快経済小説。
2004年新潮社

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幸田真音「コイン・トス」

2008-08-19 | 幸田真音
2000.9.11にN.Yで起きたジェット機による世界貿易センタービル撃墜テロ事件を背景に書かれた小説。
コイン・トスとはコインの裏表で勝負を決めるゲームのこと。
11年前元外資系証券会社で辣腕ディーラーだった篠山孝男は離婚して今ではガードマン稼業の独り者の53歳。
当時同僚であった「北原冴子」と偶然再会する。
9月12日再会を約束していたが9月11日その日彼女は
ワールドトレードセンター北棟の105Fから携帯に国際電話をかけてきたまま
事件に遭遇して音信普通になる・・・。
個々の登場人物の描き方が不十分で感情移入が出来にくく冴子に似た女
のことや事件の全貌が中途半端で小説としては未完成のような
続編を期待した。 2004年講談社 刊

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幸田真音著『あなたの余命教えます』

2008-06-13 | 幸田真音
生命科学で予言可能!? いったい自分はいつ死ぬのか。
死ぬ日が判るのなら、残る人生の光景はガラリと変わってしまうのではないか・・・。
もしも80万~250万円で自分の余命を知ることが出来るとしたら・・・
そう思ったのが物語のことの始まりである。
中堅電機メーカーで部長代理をしている永関恭次(56歳)は、定年を4年後に
控え、妻と1人娘と平凡に暮らしていた。
そんなある日、偶然、余命予測のサービスを行う国際アガスティア研究所という
組織の存在を知る。
そこでは、ゲノム解析、予防医学、そして、データマイニング(情報採掘)の
高度な技術から人間の正確な「余命予測」ができるという。
ガイダンス会場で出会ったのが、熟年夫婦、サングラスの謎めいた女ミチコ、
若い女の子という、いろいろな事情をかかえた人たちであった。
ただ、彼らの目的は他人の余命を知ることにあった・・・。
永関は、すったもんだのその後、余命を知ると、ロクな事が無いという事を悟。
最後まで不可解まま消えたミチコと同じく実体がないまま予知をビジネス
にしているアガステイア研究所も怪しいしまま、本人の同意なく
他人の余命予測は許されることではないはず。
余命を知る事の弊害と、個人情報の漏洩問題等、主題がぼやけてポイントが
絞れて居ない印象でミステリーでもない感じ取材不足は否めない。
最後は中途半端な終り方で不満が残る。
2008年3月講談社¥1680
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幸田真音著「凛冽の宙」

2008-02-13 | 幸田真音
凛冽とは寒気の厳しいさま、とても寒いこと。
今の日本の状態を見事に表しているようにおもいます。
作者は、米国系銀行や、証券会社でディーラーや外国債券セールスを経て、
国際金融の世界を舞台にした意欲的な小説を書いている女性です。
この本の、主人公は外資系パウエル・アジア証券の社長「坂木洋二」
翌日に、東京地検に出頭となった時、上司のアレンから1000万$の
退職金を引き換えに一人罪を被ることと一切の口止めを強制される。
不良債券処理に躍起になっている日本を舞台に
東洋実業銀行、破綻した関東生命、破綻近?
南部生命(小説に使われている会社名)
日本経済に群がる外資のハゲタカ・・・の実態を
スイスの銀行の匿名口座を利用したマネー・ロンダリング(資金洗浄)
などからめて物語はすすむ。今の、日本の状態を作者は登場人物に
「不良債券なんて、無尽蔵にある。どっちにしたって変らない。
いつまでたっても馬鹿なこの国の人間ばかりの集まりだ・・・。
みんな目先のことばかりに捕らわれてしっかりと将来を見通す目も大きく
目を見開いて世界を見回す知恵も持ち合わせない。」と語らせ警告。
そして後書きで
「今、まさに日本は、凛冽の時代。経済も世の中も、そしてひとの心
までも冷えきっています。」
「その中で他と違って正しいことをしようとするともっと寒さを覚える
ことを覚悟する必要がある・・・。この国はいつまで、
凛冽の時代を続けるの積もりなのでしょう。全てを知ったうえで正しい
改革の道を選んだからこそ、今「凛冽」なのでしょうか?
この先、耐え抜いたら必ず春はやってくるのですよね・・・・」と結ぶ。
読後感・・・・そして、しわ寄せはいつも一般国民
2003年小学館刊

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幸田真音著「Hello,CEO」

2008-02-01 | 幸田真音
主人公は、藤崎翔(かける)27歳。外資系のクレジット・カード会社の
データベース・マーケティング部に勤務して2歳年上のりり花という
ガールフレンドがいる。米国本社の意向による大幅な大規模な
リストラ計画で翔は、早期退職プログラムを利用して会社を辞める。
やがて、同時に退職した信頼する上司や同僚たちとともに、
ベンチャー企業を立ち上げる決意をする。5人でスタートした
資本金1000万円の新会社は「エキノックス」。既成の概念から
抜け出した新しいビジネス展開を模索する翔たちだが、なぜか最年少の
翔が社長をすることになる。リストラにより居場所のなくなった奴らが
新たにビジネスを立ち上げ、その社長に一番の若者が選ばれ、
慣れない社長業をこなしながら成長していくというストーリーは、
ドラマにありがちで新鮮味がない。
ベンチャー立ち上げの際の熱気は感じられ、ワクワク感はあるが
大した失敗もなく1年余で成功するなんて出来すぎでリアル感が感じられない。
コミック漫画的スートリーで内容がなさすぎ。
光文社2007年9月刊 1680円
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幸田真音著 「タックス・シェルター」

2007-12-05 | 幸田真音
タックスシェルター(=課税逃れ商品)とは、脱税とみなされない
巧妙な商品のこと。米国はもちろん日本においても社会問題と
なりつつある話題の問題を扱った小説です。
主人公は日系の中堅證券会社の谷福證券の創業者が突然脳溢血
で逝ってしまい生前秘密事にケイマンにある個人資産の管理を
任された真面目だけが取り柄の財務部長の深田道夫。
彼は残された金の処理を巡って途方にくれていた。
一方、東京国税局調査部国際税務専門官の宮野有紀は離婚
して一人娘を育てながら忙しい日々を過していたが・・・。
そんな時、調査で訪問した谷福證券で二人は出会った。
「税」とは何かとか、金を巡っての人間の欲望と悲哀を描いて面白い。
原油先物市場や証拠金取引・・・金儲けのハラハラドキドキ
の疑似体験をさせてくれる経済小説。
2006年朝日新聞社発行  
 ☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆ ☆

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