読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

薬丸岳著「籠の中のふたり」 

2025-02-04 | Weblog
恋人に去られ父親を亡くしたばかりの弁護士・村瀬快彦は傷害致死事件を起こし服役中の従兄弟の蓮見亮介の身元引受人となり、釈放後に二人は川越の家で暮らし始める。小学6年生のときに母親が自殺し、それ以来、他人と深く関わるのを避けてきた快彦だったが、明るくてお調子者の亮介と交流することで人として変化成長していく。だが、ある日、母が結婚する前に父親の安彦に送った手紙を見つけ、母は結婚前に快彦を妊娠していて、快彦に知られてはならない秘密を抱えていた衝撃の事実を知る。やがて、その出生の秘密は亮介の傷害致死事件とも繋がっていた。他人と触れ合うことの喜びと難しさ、人殺しの罪と贖罪。つらい過去を背負った二人が共に暮らすことで成長し、全ての過去と罪を受け入れ、本当の友達になれるのか・・・。母親の自殺、亮介の父親の失踪、そして亮介の犯罪そのものの真相とは。展開が予測できてしまう点もあるが、実は二人とも自分に厳しく、他人を思いやれる人達。これから先、決して平坦な道ではないだろうが、籠から抜け出し、助け合いながらささやかな人生が予想される結末は感動物語でした。 2024年7月双葉社刊 
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