運命に抗え。時は明治。海賊と海軍の戦争が生む狂気の中を、友情、恋慕、嫉妬、裏切り、三人の運命が交錯する。19世紀末。かつて幼なじみであった新太郎、灯、鈴の三人は成長し、それぞれの道を歩んでいた。新太郎は呉鎮守府の軍人に、灯は瀬戸内海を根城にする海賊に、そして鈴は思いを寄せる灯を探し、謎の孤島・鬼仙島にたどり着く。「海」と「山」。決して交わることのない二つの血に翻弄され、彼らはやがてこの国を揺るがす争いに巻き込まれていく。
時の支配者の手の及ばない治外法権の島という設定し、青い目を持つが故に青鬼と呼ばれ不当で激しい差別を受ける「海族」が難を逃れて住み着き、島の支配層となっているという展開。細かな事を無視し明治時代と戦時中を背景にした、対立する「海」と「山」の部族の冒険物語と思えば楽しめますが鈴の無鉄砲さ甘さなど色々気にしだすとつまらない作品かも。
2019年5月中央公論新社刊
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