表題作で第104回芥川賞受賞。他2つの短編集。妊娠した姉の様子を同居している妹が第6週から出産迄を書いた日記。今までそこにいなかった生きものがいつのまにか身体の中に生じて否応なしに育っていくことの違和感、妹のそれまでの人間関係の変化に戸惑う様子と懐疑や悪意などの心の暗さの部分が面白い。
昔、自分が暮らした学生寮に年の離れた従弟が住むことに。静かに死と共存するかのような両手片足の無い寮監。ホラー・ミステリー風で面白かった。・・・・「ドミトリイ」毎日午前中に千人分の給食を造る現場に見とれながら昔の思い出を語る・・・「夕暮れの給食室と雨のプール」誰の心の中にもある、正体のわからない奇妙な感情。漠然としたまとまりのない、個人的感情な故、うっすらと狂気を帯びているようなものなど、人の心の奥底を描いた作品ばかりで興味深い作品集でした。
昔、自分が暮らした学生寮に年の離れた従弟が住むことに。静かに死と共存するかのような両手片足の無い寮監。ホラー・ミステリー風で面白かった。・・・・「ドミトリイ」毎日午前中に千人分の給食を造る現場に見とれながら昔の思い出を語る・・・「夕暮れの給食室と雨のプール」誰の心の中にもある、正体のわからない奇妙な感情。漠然としたまとまりのない、個人的感情な故、うっすらと狂気を帯びているようなものなど、人の心の奥底を描いた作品ばかりで興味深い作品集でした。
1991年2月文藝春秋社刊
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます