シンガー・ソングライター 伊東歌詞太郎、初の小説。主人公はあることで予備校講師のアルバイトを辞めざるを得なかったため今は家庭教師をしている20歳の大学生・灰原 巧。彼が家庭教師として訪れた家族・子供が抱える問題に真摯に向かい合い、解決していく姿を描いた小説。
現代の子供たちが抱える問題や、その心の機微を瑞々しく表現して複雑な家庭環境のこどもたちに対し、自分自身のいじめ体験やスポーツ体験から、オトナの愛情の注ぎ方について、こどもたちと接するエピソード。こどもたちとのやり取りは、生々しく、保護者とのかかわり方等家庭教師として頑張ろうとする大学生の誠実さと聡明さと気持ちの入れ方が気持ちいい。子供たちの問題を解決しつつ本人も成長していく様子は、派遣先紹介者の羽田の正体の謎とともにたのしみなので、続編が期待できそうです。
2018年5月KADOKAWA刊
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