出版界の闇に切り込むミステリ。IT企業の会長・釜田芳人から自叙伝の代筆の依頼を受けた、フリーライター・上阪傑。余命半年だという釜田とは、11年前ゴーストライター執筆時の支払いトラブル・重版分の印税を払ってもらえなかった過去があったのに再度依頼してくるのは何故なのかと疑問が湧く。取材を進めるにつれ、これまで明かしてこなかった創業時のエピソードの連続に驚く、と同時に今までの本の内容に嘘があったことがわかって来る。この依頼の裏に何かがあるのではと疑念は深まっていく。「会社の後継者問題」「隠蔽し続けた過去」「古い友人との因縁」「出生の秘密」などがそれぞれの当事者によって丁寧に語られて行きますが、これは個人のサクセスストリーの展開かと思ったがラストでしっかりミステリとしての意外な顛末が用意されていました。
2022年4月東京創元社刊

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