野球小説&ミステリー。20年ぶりのリーグ優勝を目前にするプロ野球・横濱セイバーズ。その快進撃の立役者である投手コーチ二見里志は、抑えの新田隆之介らの疲労管理に頭を悩ませ、エースの山路との関係などリリーフ陣を酷使したがる辻原監督と衝突が絶えない。そんな里志のもとに、突然の訃報が届く。里志の現役時代の恩人であり、ある〝罪〟が発覚して13年前、球界を追放されていた盟友・檀野晋が亡くなったという。当初、自殺と思われていた事件は殺人と発表されたのだ。独自のコーチ哲学を貫くプロ野球の投手コーチ二見が球界の闇、盟友の無念に迫るミステリー。なぜ今になってこの世を去らねばならなかったのか?元プロ野球選手として大リーグの実績もある、苦い経験も沢山してきた主人公の指導や選手のメンタルのサポート、己を律する食生活や生活のルーティンがまるで武術家のようですごいなと思った。またその苦労も心理描写も含め克明で感動した。野球界の裏話も、ミステリーとしても2倍楽しめました。『俺にとってはお前が正義だ。お前に告発されたなら、俺は自分が犯した罪を一生背負っていける。』P.361
2023年5月祥伝社刊
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます