8つの短編歴史小説。何処から来たのかかなり前から本棚に有りいつかは読もうと思っていた作品。軍師と言えば竹中半兵衛と黒田官兵衛と長い間思っていたのだが表題作の軍師二人は大阪城の豊臣方に味方した勇将後藤又兵衛と智将真田幸村のことでした。徳川方と如何に戦うかという戦略を巡る二人をとりまく心理や感情の様子を書いた、名将なるが故の葛藤と互いの深い洞察を語られます・・・「軍師二人」。徳川家康の女性観を描く・・・「嬖女(めかけ)守り」。他、「侍大将の胸毛」「雑賀の鉄砲舟」「女は遊べ物語」「雨おんな」「一夜官女」「割って、城を」登場人物一人ひとりが皆魅力的で面白かった争乱の時代を生きた、戦にも、女にも強い、生き物の典型としての男たちを描かれていて、興趣尽きない短編集。安土桃山時代の女性の描き方が上手い、けっして男や時代に翻弄される者とは描かれていない強かな女たちです。
1968年12月講談社刊
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます