森田みどりは、高校時代に探偵の真似事をして以来、人の「本性」を見抜きたくなるという性格で謎事に執着して生きてきた。気づけば二児の母となり、父が経営する探偵社サカキ・エージェンシーでは女性探偵課で部下を育てる立場に。時計職人の父を亡くした高校生・・・「時の子」、千里眼を持つという高校生・・・「縞馬のコード」、父を殺す計画をノートに綴る中学生の少年・・・「陸橋の向こう側」。クルド人問題・・・「太陽は引き裂かれて」、陶芸作家だった母と娘の物語・・・「探偵の子」。小学生、中学生、男子高校生の行動から生まれた疑問を中心に物語が進行。どの子供も、かなり一般的ではない考えを持ち普通ではない行動をする。そして、その理由・謎をみどりがときあかしていく。子どもたちをめぐる謎にのめり込むうちに彼女は、真実に囚われて人を傷つけてきた自らの探偵人生と向き合っていくことに。痛切で美しい短編全5編。安易に結論ありきで調査するのではなく、自分が納得するまで調べ上げる。結果、本当の真実が見えてくるが、それはその真実は知りたくなかったことであっても。前作「五つの季節に探偵は」の続編にあたるらしい。前作より4年たった2022年夏~2024年夏の出来事。未読の為早速図書館で探してみます。2024年9月角川書店刊
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