コロナ禍の中で生まれたファンタジーやその他の11短編。感染症がひろがり休校になってしまった春、子どもたちのためにこいのぼりが企んだのは・・・「こいのぼりのナイショの仕事」「こいのぼりのサイショの仕事」。
谷間の小さな村に来る子供たちは・・・「ともしび」。
大切で大好きな相手であればあるほどいまは会えない。父と娘は、画面越しで会話する。・・・ 「天の川の両岸」。
ミックスルーツのリナはお母さんと二人暮らし。「日本人らしい」っていったい何だろう・・・「コスモス」。
桃太郎の鬼退治の真相は、怖い話、・・・「花一輪」。
ひいおばあちゃんと雛人形と戦争と・・・「ウメさんと初恋」。
この一年なかったことにしたいのは・・・「かえる神社の年越し」。
新しいママのいる今年のお盆は・・・「送り火のあとで」。
夜のふしぎな原っぱに集まる子どもたちは・・・「原っぱに汽車が停る夜」。気がつくと夜の砂漠にいた僕は・・・「誰かに会いたいと思ってるとき、ほんとうはもう会えてるのかもしれないな」。・・・「表題作」。
「星のかけらには、さみしさが埋まってる」夜空にちりばめた、11の小さな星たちの物語。人の生活の苦しさもそっと包み込むような寄り添い方で、どれも心にしみる余韻の残るお話でした。
「現実にはありえない話だけど、2021年を生きる10代の自分に届けたくて、この本を書きました。――著者・重松 清」。
2021年9月角川書店刊
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます