読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

大沢在昌著「予 幻」

2024-11-05 | Weblog
ボディガード・キリシリーズ第3弾。本名・年齢不詳の凄腕ボディガード・キリは、以前の案件で知り合った大物フィクサー・睦月から警護の依頼を受けた。対象は岡崎紅火、女子大学院生。先日病死した香港シンクタンク『白果』の主宰者・白中峰の娘だ。白は生前『ホワイトペーパー』と呼ばれる会員向性の情報レポートを発行しており、近未来の国際情勢や世界経済を驚くほどの的中率で予測していた。『白果』には『ホワイトペーパー』の資料となった多くの機密書類と未発表の『ホワイトペーパー』100本ほどが保管されており、中国公安部に渡るのを危惧した紅火の母・静代は、それを娘に託し、公安部の家宅捜索前に間一髪、香港から日本に持ち出して隠した。母親の岡崎静代とは連絡が取れず、何者かに拉致された可能性が高い。さらには『ホワイトペーパー』を入手しようと、中国のみならず、欧米の情報機関も動いているという。睦月の依頼は紅火の護衛と機密書類の保護。新宿の民泊施設に紅火を移動させ、部下の女性・元女刑事弥生を警護につけたのだがその施設から紅火が拉致される。 キリは佐々木や大仏の協力を得ながら弥生とともに紅火の行方を追う 『ホワイトペーパー』のレポートを中国政府が1ページ1万ドル、全部揃うとプラスボーナス100万ドルで買い取ろうとして、さまざまな諜報機関やヤクザが参戦する。アクションシーンや派手なドンパチはないがテンポよく読みやすい会話式の展開に大沢ワールドにドップリつかれます。押しの強い朋華と弥生のやり取りがなんとも笑えました。キリの本名(桐木有)がはじめて明かされる。
2023年12月徳間書店刊


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