読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

吉田修一著「森は知っている」

2016-01-29 | や・ら・わ行
前作「太陽は動かない」の産業スパイ鷹野一彦シリーズの鷹野の生い立ちが明かされるエピソード1とも呼べる作品。
「自分以外の人間は誰も信じるな―子供の頃からそう言われ続けて育てられた。しかし、その言葉には、まだ逃げ道がある。
たった一人、自分だけは信じていいのだ。」沖縄県の南の島の集落で、知子ばあさんと暮らす高校生の鷹野一彦。
東京からの転校生・菊池詩織の噂話に興じるような、一見のどかな田舎の高校生活だが、その裏では、ある組織の諜報活動訓練を受けていた。
ある日、同じ訓練生で親友の柳勇次が、一通の手紙を残して姿を消した。
逃亡、裏切り、それとも? その行方を案じながらも、鷹野は訓練の最終テストとして初任務につくのだが・・・。
過酷な運命に翻弄されながらも、真っさらな白い地図を胸に抱き、大空へと飛翔した17歳の冒険青春物語。
前作の登場人物ディビット・キムなども描かれており「太陽は動かない」を読んでいるので楽しめた。
「生きるのが苦しいんなら死んだっていい!でも、今日死のうが、明日死のうがそう変わりはないだろ!だったら一日だけでいい
・・・ただ一日だけ生きてみろ!そしてその日を生きたなら、また一日だけ試してみるんだ。・・・たったの一日ならお前にだって耐えられる」(P288)
2015年4月幻冬舎刊

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