深く潜れ(Dive Deep)! キネシオロジー&クラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)の蒼穹堂治療室

「ココロとカラダ」再生研究所、蒼穹堂治療室が送る、マニアックなまでに深く濃い、極私的治療論とお役立ち(?)情報の数々。

バイオダイナミックなクラニオと施術者の意識のあり方 5

2012-12-23 00:01:30 | 症例から考える

12/20の夜、澤ひろゆきさんたちが呼びかけ人となって主催した「キネシオロジー交流会」に参加した。澤さんとは、ブログに私がコメントしたことがキッカケで、facebookで友達になったのだ。

治療関係のセミナーといえばCBS(クリニカル・バイオホログラフィック・システム)くらいしか出ておらず、普段はそこで学んだことや別に本で読んだことをあれこれ勝手に改造して使っているので他の世界を知らない。それでもあまり不都合は感じてこなかったが、治療院がとてもヒマなのと、少し別のキネシオロジーも知って刺激を得るのもいいな、と思って参加を決めた。

というわけで、以下BGMはアニメ『氷菓』のOSTから「好奇心進行形」

参加者は1人を除いて全員初対面だったが、クラニオの翻訳書を出していることもあって「高名な先生」扱いされて、言われた本人が面食らった(やっぱり本の力って凄いんだね)。

会場にはAP(アプライド・フィジオロジー)やIH(インテグレイティッド・ヒーリング・キネシオロジー)など、今まで名前しか知らなかった手法を使っていたり学んでいたりする方がいて、実際にその施術を受けることができたのだが、私に対しては(一応「キネシオロジー交流会」ではあったのだけど)「今クラニオ習ってるんで、ちょっと見てもらえますか」というリクエストが多くて、3人(あれ、4人だったかな?)のクラニオの練習台になった。

そこで久方ぶりに人のクラニオを受けて、改めて感じたこと気づいたこと──。


全員が後頭骨クレードル・ホールドを用いていたが、触れている手の感じはおおむね、とてもいい。変な圧がかかることも全くといっていいほどなかった。ただ、特に顔面から胸部にかけての体表から10~15cmくらい離れたところに、イヤ~な気持ち悪さがある。施術者の意識が私の生体場(biosphere)を侵害あるいは干渉しているのだ。

クラニオは一部では「5gタッチ」と呼ばれる、ごく軽いタッチで行うことが強調されている(実際には5gなんて圧では強すぎて、クラニオでは使い物にならないのだが)。けれども私が個人的に感じるのは、クラニオではそうした接触圧のような肉体への物理的な侵害以上に、施術者の意識による生体場への侵害の方が問題になるということだ。

(以前もブログに書いたことがあるけど)セミナーでペアになってクラニオの練習をした後は、私は決まってひどい頭痛を起こした状態で帰らなければならなかった(しかも、その頭痛、なかなか治らないんだ)。それは相手の意識が私の生体場を侵害してくるため、私のシステムがシャットダウンを起こしてしまったのだと考えられる。そして自分自身の経験上、一度シャットダウンを起こさせてしまうと、リカバリするのはかなり大変なのだ。


上に述べたようなことは、クラニオの中でもバイオダイナミクスと呼ばれる流派?が特に主張していることで、バイオダイナミクスでは術者とは「ただそこにいて手を触れているだけの存在」であり、術者が積極的に動きの状態を読み取ったり、相手に主体的に働きかけることを否定する。

逆に、アプレジャーたちが提唱するクラニオセイクラル・セラピー(CST)のように、術者は触れている手によって積極的に動きを捉え、それに基づいて解剖学・生理学的な観点からどこにどんな問題があるかを推察して、術者が主体的にその問題を取りに行く、という術者主導のクラニオもある。

だが以前、後者のやり方を使っている(はず)の松原次良(じろう)先生の治療を見学させてもらった時、(自分が認識できる範囲でだが)相手の生体場には全く乱れが生じていなかった。なので、どんなやり方を取るにしても、相手の生体場を侵害しないことはクラニオをやる上で必須条件だと言えるだろう。


で、キネシオロジー交流会で施術を受けながら、術者にどう指示したらいいかを考えていた時、1つの言葉が思い浮かび、そのようにしてもらった。その言葉とは

「手に自分の全権を委ねるようにする」。

これまでは「意識を一点集中させないで、もう少し全体に散らすように」といった指示を出していたが、自分の口から「手に自分の全権を委ねるようにする」という言葉が出た時には、思わず「あ、俺、何かを掴んだな」と心の中でほくそ笑んだのであった。

「キネシオロジー交流会」に出てクラニオの何かを掴むというのも、よくわからない話だが、ここでさまざまな人たちと出会ったことで、自分の中の何かがインスパイアされたのだと思う。会を主催された方、参加された皆さんに感謝である。

(写真は小堀健太郎先生と何やら話し込んでいるところ。澤ひろゆきさんが撮影したものを転載)。

ついでに宣伝を。
ウチで毎月第1日曜にやっている定例勉強会は1/6がクラニオの第2回で蝶形骨と後頭骨を、2/3はキネシオロジーの第3回で仮想空間へのスタックと脊柱のモードを、それぞれ取り上げる予定。参加者が少ないので、只今、参加者募集中。

お申し込み、お問い合わせは電話かメールで。詳しくは蒼穹堂治療室のHPをご覧下さい。


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