クラニオによるセルフヒーリング・セミナーでやっている「カバラと『生命の木』」。そのダイジェスト第17回はビナーについての最後。
ビナーが象徴するものは、女性そして「大いなる母」の側面と土星の側面に大別される。
ビナーの魔法の象徴はヨニ、クテイス、そして「隠れたるものの外なる衣」で、これらはいずれも女性生殖器を表している。
ヨニはリンガムと共にヒンズー教における生命力と豊饒の象徴であるが、豊饒の概念はアッシャー界(すなわち物質界)に顕現するビナーの主要動因でもある。生命は修練のため物質界に入るものであり、「時と死の限界」の局面とバランスを取る豊饒の局面はビナーの概念に不可欠なものである。
また「隠れたるものの外なる衣」は物質を連想させ、コクマーの魔法の象徴である「栄光の内なる衣」の表す生命原理と一対になって、霊により魂を吹き込まれた肉体のイメージを作り出す。
ビナーの母なる側面はこれまでも述べてきたが、彼女にはまた「マラー(海)」という称号が与えられていて、これはカトリックで聖母マリアが「ステラ・マリス(海の星)」と呼ばれていることと不思議な一致を見せる。
ビナーの土星としての側面については、セミナーのダイジェスト動画で。
さて、ビナーにはタロットの4枚の「3」が配当されるが、「3」という数字は2つの対立する力の均衡が第3のものを顕現させるということで、物質的な顕現の概念と密接に結びついている。またテトラグラマトンでは最初の「へー」が割り当てられるが、それはタロットでは4枚の「女王」に当たる。
神智学の体系では、ビナーはムーラプリクリティ、すなわち宇宙の根源実体であるが、それはどんな存在のどんな相の現象にも内在する、現実を構成する存在の基盤である。アイザック・マイヤーズの『カバラ』では、物質は精神的受動物であり、男性的能動的な形成原理に対する女性的受動原理と相応する、とされる。
つまりビナーとは、意識の本質であるコクマーに対して、起こる得る全ての現象(物理的であれ精神的であれ)の物質的媒体なのである。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます